二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【薄桜鬼】 死神少女と約束の桜 ( No.16 )
- 日時: 2012/01/19 18:38
- 名前: 雛苺 (ID: X9g0Xy3m)
- 参照: 元・悪魔ビビでございます。
第5話
「・・・単刀直入に聞く。てめぇらは何者だ」
鋭い声で土方は正面に座っている2人に問いかけた。昴は にこり と人の良さそうな優しい笑みを浮かべ口を開いた。
「僕は昴と申します。ここへは剣の修行をするために来ました」
「弟の伊織です。兄と同様剣の修行のため来ました」
(気持ち悪ぃ・・・)
昴は自分自身に寒気を覚えた。今まで生きてきた中でこんな事をしたことは無い。隣をちらりと見ると、引き締めた顔をしているが伊織の瞳は楽しそうに輝いていた。
「てめぇらはどこまで知っている」
「「全部ですよ」」
2人は息をそろへにこりと微笑んだ。その笑みを見て土方は顔をしかめ舌打ちをする。
「どういうことだ」
「どうもこうも-------------」
伊織は一度止め人懐っこく笑った。
「そのままの意味ですよ。僕たちは鬼のなりそこないである”羅刹”のことも其れに変えてしまう変若水も。そして---------そこの眼鏡のお兄さんが羅刹ということも」
「っ!!」
「てめぇ・・・」
驚く幹部と睨む土方。伊織はにっこり笑った。
「君は・・・いったい何処でそのことを」
眼鏡のお兄さん---山南は静かに口を開いた。
「さぁ・・・いったい何処でしょう?」
「てめぇ!!おちょっくてんのか!!」
とぼけたように言う伊織の胸ぐらを土方は勢いよく掴みかかった。そんな土方に伊織は動じない。逆に微笑んだ。
「やめてくださいよ。仮にも女性に・・失礼じゃぁないですか?」
「なっ・・・!」
突然の真実に土方はとっさに胸ぐらを放した。その他の幹部達も、効果音で表すと ポカーン という音が付きそうなほど唖然としていた。
冷静そうに見える斎藤も目を何度か瞬きしている。沖田だけは、特に驚くこともなくただ殺気の込めた眼をして笑っていた。
「お・・んな・・なのか君は」
恐る恐るというように聞く近藤。そんな近藤に伊織は首を縦に振った。
「えぇ。だますような事をしてすみません・・・改めて、昴の妹の伊織と申します。歳は十八」
「お・・女だったのか・・・」
「全然見えねー・・」
呆然と声を出す幹部達を見て伊織は小さく笑った。楽しそうにしている伊織とは対照的に昴は淡々と土方に怒りを募らせていた。
(あいつ・・ぜってぇ殺す!!!)