二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【薄桜鬼】 冬の桜 ( No.4 )
- 日時: 2012/01/17 17:37
- 名前: 雛苺 (ID: X9g0Xy3m)
- 参照: 元・悪魔ビビでございます。
序章
ひどく寒い記憶の中、私は1人で泣いていた。ひとりぼっちで泣いていた。周りは紅に囲まれて・・・・私は1人で泣いていた。
毎日毎日泣いて・・・もう涙なんて枯れてしまうんじゃないかって思う程泣いた。
そんなある日-------------1人の死神と出会った。美しい白銀の髪を持ち澄んだ真っ黒の瞳を持つ彼は私を見て一言言った。
「お前、俺と契約しないか?」
あまりにも突然の事で私は言葉が出なかった。契約・・・とはなんだろう。いったい何をするのだろう・・・。あの時の私はとても無知だったのだ。
「俺と契約すればお前を絶対に裏切らない。それにお前の--------家族になってやる」
「か・・・ぞく・・・」
私がくり返すと彼はとても優しい手つきで私の頭を撫でた。その手はあの人のものに似ていた。気が付くと私はうなずいていた。
「する!わたし、あなたと契約するっ!!」
まさかそんなに簡単に私がうなずくとは思わなかったのか彼は一瞬虚をつかれたような顔をしたがすぐに嬉しそうに笑った。
「じゃあ決まりだな・・・・いいか?俺はいつでもお前の側にいる・・・そうだな・・じゃあ------------------------」
オ前ノソノ美シイ瞳ガ契約ノ証ダ
そう言うと彼は私の左目に触れる。ドクンッと心臓が大きく脈打つのが分かった。
「ッ!!」
「これで契約は終了だ。お前のその左目にあるマークが契約の証・・・」
「マーク?」
川に自分の顔を写してみると左目が赤くなっていた。そっと私は自分の左目に触れる。
「これでお前と俺はずっと一緒だ・・・・俺は昴。お前は?」
「私は-------伊織・・・桐嶋伊織」
「そうか・・・じゃあ伊織よろしくな」
昴は優しく微笑んだ。
「うん。よろしく昴」
こうして私と死神は家族になった。