二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【薄桜鬼】 死神少女と約束の桜 コメ・友達募集中! ( No.62 )
日時: 2012/02/01 16:45
名前: 雛苺 (ID: X9g0Xy3m)
参照: カフェオレよりミルクティー派!


 第17話

 「おい!何事だ!!」

 ドタドタと複数の足音と共に幹部がやってきた。幹部は部屋の様子を見て騒然とした。部屋の中は

 
 あかく
   アカク
     紅い


 真っ赤な部屋の中に伊織が過多なを片手に持ち立っていた。千鶴は眼を見開き呆然と伊織を見つめており、伊織の周りには羅刹の亡骸が転がっている。土方は背筋に何か冷たい物が滑り落ちたような気がした。ゾクゾクと全身の毛が逆立つ。真っ赤な部屋にただ1人立っている伊織の背には
   
   ---------------何か黒いモノが取り憑いているようにも見えた。

 伊織は一度幹部たちを見ると力尽きたように前に倒れた。
 「伊織!」
 土方が伊織を受け止めようと一歩踏み出した、が、いつの間にかその場に居た昴が伊織を優しく受け止めた。昴は無言で伊織を抱きかかえると足下に転がっている羅刹の頭をまたいで土方の横を通り抜けた。その時、小さな小さな声で昴は何かを言った後そのまま自室へと歩いていった。土方は強く拳を握る。その時、藤堂が我に返ったように部屋の中へと駆け込んだ。
 「千鶴!!大丈夫か!?」
 千鶴は恐怖に顔を強張らせたまま、こくこくと首を縦に振る。自身の腕で肩を抱くようにして必死に震えを押さえようとしている。
 「全然大丈夫じゃねぇだろ!!」
 原田は千鶴を先ほどの昴と同様抱き上げる。普段の千鶴なら顔を真っ赤にして「大丈夫です」と言いそうだが、今の千鶴にそんな余裕など無い。千鶴は安心したのかゆっくりと瞳を閉じて静かな寝息をたてた。

 「千鶴は他の空いてる部屋に連れて行け。斎藤、悪いがここの後片付けを頼む」

 「御意」
 土方は自室へと戻りながら頭から離れない昴の一言を思い出していた。もう一度拳を握る。手のひらへと爪が食い込むのも気にせずに土方は険しい表情をしていた顔を一瞬だけ辛そうに歪めた。


 「てめぇは疫病神か?伊織の怪我、どう責任とってくれんだよ」