二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【薄桜鬼】 冬の桜 ( No.9 )
日時: 2012/01/18 19:08
名前: 雛苺 (ID: X9g0Xy3m)
参照: 元・悪魔ビビでございます。

 第2話

 「少し言い過ぎたかなぁ・・・」
 小石を蹴飛ばしながら夜道を歩く。伊織は珍しく昴と喧嘩をした。死神である昴と契約をした伊織はまず、昴を裏切らない限りは死なない身体である。その為、足の刺し傷など取るに足らない程度の傷なのだがどうも昴は心配性で困る。
 「まったく・・いつの間にあんな心配性になったんだろ・・・」
 はぁっと深くため息をつき伊織は夜空を見上げた。冬の星は美しい。伊織は一日の中で夜が一番好きだった。

 「ひゃははははは」

 「----------------またか」
 伊織の瞳に怒りが籠もる。声のした方、路地へとゆっくり足を進める。伊織の足には迷いなどなかった。昴が居なくとも十分な実力を伊織を持っていた。

 「血、血ぃっ!!!!!」
 「ひゃはははっ・・・血だぁ!!」

 既にそこは真っ赤に染まっていた。こつっと。何かが伊織の足に当たった。伊織は静かに足下に視線を落とす。
 
 ドクンッ-----------------------

 其処には------------若い女と幼い子どもが真っ赤な華を咲かせて倒れていた。其れを認識した瞬間伊織の瞳に明確な怒りと憎しみの光が灯った。
 「・・・お前らみたいなのが居るから」
 静かに、静かに言葉を紡ぐ。伊織は腰から木刀を抜いた。ゆっくりと木刀を構える--------------------昴が教えてくれた確実に相手をとらえる構え。
 
 「世の中が駄目になるんだよ!」

 真っ赤な華を咲かせる。気が付けば伊織は真っ赤な路地の中でタダ1人立っていた。昴の所へ帰ろうと踵を返した伊織は動きを止めた。伊織は浅黄色の羽織を着た男たち---------------新撰組に囲まれていた。しかもご丁寧に幹部だけだ。

 「動くな。動けば--------------斬る」

 伊織に刀を向けているのはこの間の男。新撰組副長--通称鬼の副長の土方歳三だ。
 「なぁ土方さん。コイツが例の男ー?まだ全然子供じゃん」
 「お前が言うな平助」
 三番組組長の藤堂平助と十番組組長の原田佐之助。
 「てめぇは一体どこまで知ってやがる」
 鋭く低い声で土方は問いた。
 「全て」
 伊織は短くそして適当に答える。ちっと土方は舌打ちし、鋭く言い放った。
 
 「ならばお前には死んでもらう!!」

 その声を合図とし原田と藤堂が地を蹴った。