二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

誰得?嗚呼、俺得ですよ ( No.14 )
日時: 2012/03/15 17:11
名前:  めーこ ◆RP5U9RTa.. (ID: 5xc.fUnp)
参照: 分かんない新連載な予感



「——つるぎ、またね」

 その日、俺の、大事な人達だけの、時が止まった。





 柄にもなく小学校教師(副担任止まりだが)になり、普通の暮らしを満喫している(のか?)俺は、相変わらずだった。変わったこと、と言えば髪を切り、かなりのイメージチェンジを図ったこと、くらいか。兎に角、変わらない生活を送っている。
 キャプテン——じゃないな、神童さん、か。神童さんは音楽家への道を進み始めた。此の侭サッカーを続けるのも良いが、俺にはどうも音楽家が向いているらしい、と神童さんは言っていた。俺が小学校教師をやるといった途端、大爆笑していたがな。
 霧野さんはプロ入りを果たしていた。優れたディフェンス能力が認められたからだ。でも、霧野さんはあまり興味が無いらしい。合う度に監督やコーチの愚痴を溢していて、苦笑するしかなくなっている。
 松風、は。

「きょうすけ、てんま、まだ起きないの」

 ——そうだ、眠り続けている。
 あの日、あの事が有ってから、ずっと時は止まったままだ。俺や他のサッカー部員だけが大人に成って、彼女と松風、それと、篤志さんだけが取り残されたまま、子供のまま俺を見上げている。

「……もうすぐ、起きるだろ」

 嘘を吐くことにもそろそろ慣れてしまったらしく。
 不安げに見つめる彼女の頭をくしゃりと撫で、適当なシャツに着替える。彼女はうー、と小さく唸りつつも、テーブルから此方を見ている篤志さんの方へ駆け寄って、むぎゅう、と効果音が付きそうなくらいに抱き締めていた。……というよりは、抱き締めて貰っていた、という感じか。
 彼女——えんり、は。あの頃から成長していない。寧ろ、精神的には幼くなったように見える。其れが何故だかはよく分からないが、個人的に篤志さんが調べたらしい情報によると、一般的な言い方では赤ちゃん返り、だったか。そのようなものらしく。
 松風に懐いていた彼女は、起きない松風にショックを受けたのか、精神的に逆戻りしてしまったらしい。退行、というのも聞いたことがある。
 どうにもならないものだ、仕方ない、と溜息を吐いていると、不意に篤志さんが言った。

「そういや京介、今日倉間来るってさ」

 篤志さんは、一回り小さなえんりを膝の上に乗せながら薄く笑った。丁度良い、俺も今日は出勤だったからな。
 そう思いつつ、じゃあ宜しくお願いしますねと返す。篤志さんはおう、とだけ頷いて構って構ってと五月蠅いえんりの相手をし始めた。この光景にも随分と慣れたものだ、と思わず笑みを零してしまう。そう、言えば。
 ——俺がえんりや篤志さんを名前で呼び始めたのは何時頃だろう。俺がこうして三人で暮らすようになったのは何時頃からだろうか。
 俺も随分丸くなったもんだと一人笑っていると、えんりが変な目で見てきたもので。何でも無いと薄く苦笑を浮かべるとふうん、とえんりはすぐに興味を無くしたらしく篤志さんとじゃれていた。

「じゃ、行ってきます」
「「行ってらっしゃい」」

 玄関のドアを開けると、驚いたような水色が目に入った。今日はお願いしますね、倉間さん。そう言うと倉間さんはにっと笑い、任せとけと自信満々で言った。安心できるな、と思い俺は車のドアに手を掛けた。





やっちまった。
京介は大学から研修で小学校教師になってる感じ。
その内転職するよ。プロサッカー選手はあきらめた。えんりと南沢さんと天馬の為に。倉間くんはヒモなよかn…嘘だって。
新連載、かなあ。気が向けば書くかな。