二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

消えてった。 ( No.15 )
日時: 2012/04/15 20:10
名前:  めーこ ◆RP5U9RTa.. (ID: 5Ru2iDax)




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「ねえ、元希」

甘ったるい声に、寒気がした。
——何時も俺は此奴の我儘に振り回され、捨てられ。
疲れると思いつつも擦り寄ってきた彼女の柔らかな体を優しく抱き締める。
薄く微笑み、肩へ頭を預ける彼女の肩を抱き、その額へ口付けた。

黒い、ストレートの髪も。
妖艶に細められたルビーのような赤い瞳も。
ゆるりと口角を釣り上げる、妖しい唇も。

全部、この手の中に在る筈なのに。

「なあ、"  "」

彼女と同じ、甘ったるい声で名前を呼ぶ。
なあにと微笑む彼女に甘い口付けを一つ、細くて白い指に己の指を絡めた。
ふふ、と小さな笑い声が耳元で聞こえて、ぱっと目を伏せる。





「これで、良いんだよな」









(プロの夢も、何もかも捨てて)
       (彼女の為に尽くせるなら、どれだけ幸せだろう)







ハルナサンダー。
私と誕生日おなじだから、という理由でお気に入り。