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【六時間目　過去に居た『彼奴』が居ました。】
「何だこの魔物？！」

クレーエが慌て、一歩後ろに下がってしまった。
その『影』の姿は、阿修羅のように３つの顔と６本の腕。
胸の前で腕を交差させ、２本の剣を持つその姿からは隙を感じない。

「此奴は……『ザジャン』！　なんでこんなところに居るんだっ！？」

ゼロムが驚いていると、ザジャンの後ろから何者かが姿を現した。

「！？　誰だ？！」
「……驚くな愚者の群れよ」

男が呟くと、クルーエ達の力が抜け始めた。

「「「なっ！？」」」
「……やっと効いたな、さて」

男がゼロムの方を向き、呟き始める。

「……『久しい』な、ゼロム」
「！？」

男の言葉に、ゼロムは驚きを隠しきれなかった。

「我の『肉体』を粉々に砕いたのはさぞも快感であったろう？　貴様の『狂神覚醒』には実に困ったものだ……」
「っ！？　テメェッ！　何故『それ』を知ってる？！」

ゼロムが構えると、男は腕を……。——



　　　　　　　　　　　　　　　　　——……『蛇』を、つきだした。

「！　その腕は……まさかっ？！」
「そう……



　　　　　　　　貴様の『兄』である『ベーゼ』……それが我だ……」

ベーゼは、赤い瞳でゼロムを睨んだ……——