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【二十時限目　海賊を知りました。】
「テメェゴルァ！　待ちやがれぇっ！」
「嫌なのだーっ！」

酒樽置き場の中で、ゼロムは魔女を追いかけていた。

「くっくっく……捕まえたぜ、駄目魔女ぉ……」
「ヌゥ、離すのだ！　それに私は駄目魔女なんかじゃなく、『ザッハトルテ』という名前があるのだ！」
「黙れ駄目魔女！　取り敢えずテメェを海に叩き落としｔ

ガッ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「……坊主、俺の船で喧嘩すんじゃねぇよ」……ゑ？」

……何時の間にだろうか？

ゼロムの身体は宙を舞い、ゼロムの視界にはザッハトルテを抱き寄せるレブルの姿が映り……。——

——ゼロムは、海へ落ちた。

「全く……どこの世界に往けば、女に手をあげる男が居るってんだ……オイ、ディメント。　この嬢ちゃんを宜しく頼むぜ」
「……（分かった）」

レブルはディメントにザッハトルテを預け、

「……『ウンディーネ』」

召喚獣『ウンディーネ』の掌に乗り、ゼロムの目の前に来た。

「オイ、坊主」
「ぶふぅっ！　……あ？」

いきなりレブルはゼロムの髪を掴み、顔を寄せ、言った。

「アレは俺達の船だ。　坊主等の自前勝手で暴れられちゃぁ、困るんだよ」
「……」
「そこんとこ分かってくれよ、頼むぜ？」
「……分かった」

ゼロムがそう頷くと、レブルは満足そうに顔を笑顔にし、ゼロムの頭にタオルをかけ、『ウンディーネ』でゼロムと共に上がった——