二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ととモノ。】鬼畜生徒のテキスト ( No.34 )
日時: 2012/04/19 21:54
名前: 獅子桜 俺 ◆zuYkW5SYP6 (ID: TjCRtQ22)

【二十一時限目 カモメは空を飛んでいます。】
……船旅で、香る海の風は心地よい。

ゼロムがふと、甲板で浸っていると。

「ゼロム……」
「ん? フィナーレか」

ゼロムの布団のような長い髪に、フィナーレが寄りかかった。

「フラフラだな……さっさと部屋に戻りな」
「……眠いです」
「尚更だな。 部屋に戻れよ」
「……ゼロムの髪を布団にして寝ます」
「行けよ! 戻れよ! 部屋に!?」

ゼロムがフィナーレに言うが、もう眠ってしまっていた……。

「……不服だ」
「振り払わないのか?」

ザッハトルテがゼロムに聞くが、ゼロムが右手を駄目なおっさん宜しく、プラプラさせてから答えた。

「もう慣れちまってんだよ。 四季もフィナーレも、俺の髪でよく寝るからよ」
「ほ〜?」

ゼロム等がそんな話をしていると……。——



——……ミャウ、ミャウ



「あ、カモメさんだ〜」
「ん! と、なると……この近くに小魚の群が居るな」

四季がのほほんと、カモメを指差し、レブルはパンを持ってきた。

「そら、コイツを投げ与えてみな。 結構来るぞ?」

レブルの言うとおりであった。
四季がパンを千切って投げると、パンの欠片を求め、カモメが寄ってきた。



——刹那。



パァンッ!

「「……ゑ?」」

レブルとゼロムは、我が眼を疑った。

……四季が、カモメを撃ち落とした。

「ってぇっ! 何してんじゃああああああああああっ!?」
「え? ……ちょっと、カモメの肉って美味しいのかなぁ? って、ね……♪」
「いやいやいやいや食うな!」
「って、オイ!? カモメが散ってくぞっ?!」

ゼロムが指差す空に、もう、カモメが居なかった。

「クソ! 呼び戻す為にパンを……って、あぁっ!? 魔物が、魔物が寄ってきたああああああああああっ!?」

ゼロムがパンを撒くと、魔物が寄り始めた……——