二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ととモノ。】鬼畜生徒のテキスト ( No.58 )
日時: 2013/04/23 19:11
名前: 獅子桜 俺 ◆zuYkW5SYP6 (ID: 57S6xAsa)

【四十一時限目 一国の姫を相手にしたら、せめて上面だけでも従って礼儀正しくしましょう。】
「……そろそろ飯食いにいかねぇ? 待つのメンドくなったわ……」
「…………そうね」

ゼロムが言った台詞は、全員首が縦に動けるものだった。

「今日の日替わりの夜飯って、何だ?」
「バドネークの唐揚げだと思うよ」
「そりゃモーディアルの献立だ」
「溶岩マグロの刺身」
「タカチホだ」
「グレズリの肉のトマト煮」
「……プリシアナだよそりゃぁ……」
「じゃあ知らないことにしておく。 楽しみだなぁ」
「嘘こけ」

ゼロム達は階段を下りながら、雑談をしていると……。

「其方! 妾を前にして雑談とは何事ぞ?!」
「「「ハイ?」」」
「あ゛?」

そこには種族『フェルパー』の女子生徒と種族『クラッズ』の女子生徒を付き従えた、種族『ディアボロス』の女子生徒が仁王立ちでゼロム達の前に立ち塞がっていた。

「……何か用スかい?」
「用も何も、其方が妾の前で、妾に気づかずに談笑しておるからじゃ、道を空けよとこの『キルシュトルテ』が申しておるのじゃ!」
「……『キルシュトルテ』だぁ?」

ゼロムは少し不快そうな顔で、『キルシュトルテ』を名乗る『ディアボロス』の女子生徒を見た。

頭に小さいティアラをのせ装飾が綺麗な剣と剣の鞘を携え、薄く化粧をしている辺り、確かに王族の者らしい。
しかし、ゼロムから見ると……どうも『ノイツェシュタイン王国』の姫とは見えぬ。 良くて金持ちの娘らへんで見切れてしまう。

「……ほざけ蛆虫、邪魔だ、失せろ」
「「「「「「!?」」」」」」

ゼロムの罵倒に一同が皆唖然とした。 普通、王国を治める王の娘たる姫に対し、『蛆虫』と呼ばぬし、『邪魔』も『失せろ』も言わない。

「ぐっ、貴様……っ……ふ、ふん、まあ良いわ。 妾は同級生や後輩には厚い情があるのじゃ。 妾の寛大な心に免じ、其方を許してやろう」
「え? いえ、結構ッス。 俺は自分の命が惜しくて泣いて媚びへつらう屑虫とは数段違うんで」
「「「「「!?!?」」」」」
「!!!!!」

ゼロムは一国の姫の寛大な心を一蹴。 それどころか、自分は他人と言い出す始末。
キルシュトルテは怒り、ゼロムに向け抜き身の剣を突き付け、言い放った。

「貴様は! 妾が許してやるといったのに一蹴し、あまつさえ妾をコケにしおって! もう許さぬ! 決闘じゃ! 決闘を申し込む!」
「すんませんけど、腹減ったんで決闘の件は数年後に見送ってくれッス」
「にゅああああああああっ!」

ゼロムがヘラヘラ笑いながらいうため、ついにキルシュトルテの怒りは限界突破した。

「明日じゃ! 明日に、ここの中庭で生徒達の目の前で其方をけちょんけちょんにしてやる!」
「だってよ四季……恐ろしい世迷い言を言う女が目の前に居ンぞ……」
「「「ゼロムぇ……」」」

ゼロムが驚愕した顔で巫山戯たことを言ったために、四季達は呆れてしまった……——