二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ととモノ。】鬼畜生徒のテキスト ( No.59 )
- 日時: 2013/03/20 21:34
- 名前: 獅子桜 俺 ◆zuYkW5SYP6 (ID: ZUyffco7)
【四十二時限目 馬鹿も煙も高い所が好きとは限りません。】
ドラッケン学園・中庭。
この場所はとても広く、中央に模擬戦に使われる野外フィールドがある。
そのフィールドの周りには生徒や先生が集まっていた。
理由はただひとつ。 『ノイツェシュタイン王国の姫・キルシュトルテに罵倒を浴びせ、挙げ句コケにしたモーディアル学園の生徒、阿呆な種族【バハムーン】』を見に来たのだ。
観客も居てキルシュトルテの戦闘準備も完璧、なのだが……。
「……フィナーレ、ゼロムは何処にいったのかな?」
「先程廊下で見かけた後、幽霊のようにふと消えたわ」
——……既に約束の時間から20分が経過しているのである。
「……あの無礼者はまだかっ?! 妾を侮辱し、ついに約束をもすっぽかして妾を辱める気なのかっ?!」
「すいません、ウチの馬鹿が喧嘩を売っておいて来てないなんて……」
「いえ、あの人も悪いですがあの程度の挑発や悪態に堪えれなかったお嬢様にも責任がありますので置きにめさらずに」
四季の代わりの謝罪に応えたのはキルシュトルテと共に居た種族『フェルパー』の女子生徒であった。
「それにしても……貴方方と共に行動していたあの『バハムーン』がこの時間になっても来ないとは……あの『バハムーン』は逃げたのでしょうか?」
「うん、逃げたと思うよ」
「……少しは御仲間を信じてあげましょうよ……」
「……ナデナデ」
「……にゃうにゃう」
「四季? 其処で何で頭を撫でているの?」
四季は『フェルパー』の女子生徒の頭を撫でていた。 そう、四季は無類の猫好きであり、相手が先輩であろうと愛でる。 愛でるったら愛でる。
にゃごにゃごいう『フェルパー』を見て生徒達が和んでいた、その時。
「……イッツ・ショゥゥゥゥゥタァイムッ!」
ドゴォォォォアン……! ズドォォォォォンッ……! チュドァァァァァン……!
「「「「「!?」」」」」
突如何処からか爆発音と大量の煙幕が撒かれ、目の前が煙だらけとなった。
そしてその煙幕の中を勢いよく駆け抜ける人影……ゼロムの姿が浮かび上がった。
「すいませんねぇ……『グレネード』と『ナパーム』を錬金しまくってて指定時間より30分ほど遅れちったぜ〜」
「「「「「何しでかしてんだ阿呆?!」」」」」
全員でゼロムにツッコミを入れた。
「……遅かったのぅ……何をしておったのじゃ?」
「教室を出てシュークリーム食いに行って便所に行って錬金するために購買部行って出来上がったモンの威力確認がてらにこの中庭に思いっきり投げてみました」
「き、貴様は……っ、余裕こいてシュークリームを食べに行き……妾を前に『便所』などと汚い言葉を出し、あまつさえ火器をこの由緒正しきドラッケン学園が中庭に投げ込むなど……うにゃあああああああああああっ!」
ゼロムの詫びを入れない言葉に怒り心頭、キルシュトルテはヘラヘラ笑いながらフィールドに昇るゼロムに剣先を向けた。
「妾はノイツェシュタイン王国が姫、キルシュトルテ! 其処な田舎者、名を名乗れい!」
「おお、良いね田舎者。 んじゃぁ……俺は『国死無双』ゼロム……ノイツェシュタイン王国の姫に喧嘩を売りにきた阿呆だっ!」
ゼロムはキルシュトルテの目を見て、啖呵を切った……——