二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ととモノ。】鬼畜生徒のテキスト ( No.60 )
- 日時: 2013/04/23 19:13
- 名前: 獅子桜 俺 ◆zuYkW5SYP6 (ID: mKkzEdnm)
【四十三時限目 全戦全敗の男がキレると危険です。】
ヒュッ! シュピンッ!
剣が空を切る音が聞こえる。
剣を振るう者はノイツェシュタイン王国が姫君・キルシュトルテ。
対するゼロムはというと……。
「えぇい! 逃げるでないわっ!」
「普通逃げるし避けますわっ! アンタ阿呆だなっ!?」
——挑発しておいて避けるわ逃げるわ……話にならなかった。
「貴様はやる気あるのかっ?!」
「あぁ? ねぇに決まってんだろうがっ!」
「ならばっ!」
キルシュトルテは斬撃の嵐を止め特別な石で出来たフィールドをダンと踏みつけ、ゼロムに問いかけた。
「何故貴様は妾に下克上をしたっ?! 答えろ!」
「んだよ……そんなモン聞いても無駄だろうが……。 ……まあ敢えて答えるなら……」
ゼロムは一度言葉を切り言い放った。
「……アンタが思ったより強くねぇからだな」
「「「「「んなぁっ!?」」」」」
ゼロムの爆弾発言にその場の者全員が驚いた。
ゼロムは『自分より弱い』という理由でやる気を無くしてひたすら逃げ回ってただ負けることを待っていたのだ。
「貴様は妾は疎かこの試合をも侮辱するかっ?!」
「侮辱も何も……アンタが齧ってる貴族剣技は素晴らしいほどに型に納まっているから見てて飽きるし眠くなるわ……」
ゼロムは欠伸をひとつすると頭を掻きキルシュトルテに言った。
「確かにアンタは剣捌き良いよ? だけど当たらないんじゃ意味ねぇよ? もうちょっと自己流にアレンジするとかしねぇと俺みたいに『見て避けれる』奴とかおっさんみたいな『長年の勘で避けれる』奴が相手だと透かしばっかで反撃受けるぞ?」
「う、五月蠅いわっ! 貴様が言ってるそれはただの口からの出任せであろうにっ!」
「俺の優しいアドバイスを出任せで片付けるか……良し決めた……殺るか」
ゼロムは米神に青筋を浮かべるといきなりフィールドの端へと駆け出し、フィールドに方天戟を突き立てた。
「ふん、妾に背を向けるとは命知らずな……この一撃で地に沈めてくれようぞ!」
キルシュトルテが剣先をゼロムに向けて構えそのまま突進をしようとした、その時。
メキメキメキィ……
「「「「「ゑ?」」」」」
——ゼロムが方天戟に力を込めて……フィールドの一部をえぐり取った。
「「「「「はああああああああああああああっ!?」」」」」
「「「「「えええええええええええええええっ!?」」」」」
フィールドが方天戟に刺されハンマーとなり、ゼロムは……黒く笑った。
「ようし……これでテメェを吹っ飛ばせるぜ……」
「ふにゅっ!? 其方は妾をどうするつもりなのじゃ?!」
「安心しろ……楽に逝かせてやるぁっ!」
ゼロムはキルシュトルテに向かって走り出した。
いくら一部いえどフィールドの一部を刺した方天戟を担いで有り得ない程の推進力で駆けだし、弾丸となったゼロムは大振りに方天戟ハンマーを振るった。
しかし無理矢理ながらもキルシュトルテは避けた。
「良かった……アレを避けれたのね……」
「いや……駄目だ!」
見ればゼロムは自分の身体を独楽の軸として大きく回転し、そのままキルシュトルテへと振り下ろしていた。
「ずぁあああああああああああああっ!」
「ひっ、いやああああああああああああっ!!!」
「「「「「キルシュトルテ様あああああああああっ!?」」」」」
キルシュトルテが悲鳴を上げた、その時。
ダンッ! ダンッ!
ガラ、ガラガラ……
——ゼロムが振り下ろそうとした方天戟ハンマーは四季が撃った弾丸によって粉々に壊れさった。
「……四季、何故止めた?」
「ゼロム、それはいくらなんでもやりすぎだよ」
ゼロムが青筋を浮かべてキレるのに対し、四季は冷静に答えた。
「四季、この女は俺に『けちょんけちょんにする』と言ったし俺のアドバイスを『口から出任せ』で済ますんだぞ? そりゃ俺も怒りのボルテージが上がるわ」
「だけどゼロム、幾ら気が悪くなってもそれは駄目よ」
フィナーレはゼロムを宥めゼロムは少々怪訝そうな顔をしたが、方天戟を渋々下ろした。
「キルシュトルテさん、ゼロムは他人の神経を逆撫でするようなことがデフォだから気にしないで下さい」
四季はキルシュトルテにゼロムについて述べた。
「オイ四季今俺の悪口言わなかったか?」「言ってないよ」「言ったよな?」「言ってないって言ってるでしょ? いい加減にしないと撃つよ?」「すんまっせんしたーっ!」
そして全員の目の前でゼロムと四季のいつものやり取りが行われた。
「……(本当に何なんじゃ、この者とこの者達は……?)」
「「「「「……(正直ついていけねぇ……)」」」」」
キルシュトルテ達はかなり気疲れした……——