二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BRAVE10*時守りの忍【原作沿い】 ( No.3 )
日時: 2012/01/21 22:51
名前: 勾菜 (ID: 9Q/G27Z/)

—ACT.1—

気配を殺して、森の中をすすむ少女の姿があった。
彼女の行く先は信州 上田。
出雲からの帰りだった。
「……?」
何かに気がついたのか、足を止め、辺りを見回す。
「人の気配…それに…」
それに、忍の気配。

胸騒ぎを感じ、森の横道へとそれる。
気配を追ってたどり着いた場所から、そっと様子を伺うと水色がかった髪の少女が数人の忍から逃げていた。
この状況から考えれば、助けるべきは少女の方だろう。
(私も大概お人よしだな…だが、まあ…私が真田の忍だってばれなきゃいいか)
ため息をつきながらも、軽くタンッと地を蹴り、少女を庇うようにして立つ。
突然の闖入者に少女も忍も唖然とする。
いち早くそれから立ち直ったらしい忍の一人が声を荒げる。
「何者だ、貴様!!」
「なにって…通行人A?」
少女も忍も、今の言葉に呆然としているがまあこの際気にしなくてもいいだろう。
はっと、我に返った忍の一人が苛立たしげな声をあげる。
「……だが、この女を見たのが不運…お前には消えてもらう!」
「やだなぁ…目撃者必殺ってやつ?」
彼女がそう口を開くと、忍たちは一斉にクナイを構える。
一瞬のうちに彼女は思案する。
自分だけならこのぐらいの人数は余裕だ。
だが今は、この少女を守らねければならない。
だとしたら、方法はただ一つ。

にっこりと、誰もが見惚れるような笑みを浮かべ、素早い動きで懐へ手を忍ばせる。
その次の瞬間
ボンっと辺りに煙幕がたちこめた。