二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: BRAVE10*時守りの忍【原作沿い】 ( No.7 )
日時: 2012/01/22 22:15
名前: 勾菜 (ID: Dfaev/X/)

「物騒だねえ…目撃者必殺!?」
「その通り!!!!」
忍たちは一斉に才蔵たちを攻撃してくる。
すさまじい勢いでこちらに向かってくるクナイに少女は悲鳴をあげる。
「きゃああっ!!」
そのクナイに自身の得物の布を取り払う。
「オン マリシエイ ソワカ!!」
キィィンッと不思議な音を立て、武器の柄にある梵字が光を放つ。
その瞬間。
彼らに向かって来ていたクナイが空中でぴたりととまる。
(この技って…)
「なっ…なんだっ」
予測不可能なことに忍たちは慌てる。

「奥義 天唾返し!!」

全てのクナイが忍たちの急所に刺さり、絶命する。
「…………っ」
少女は声も出ないようで、目を見開き何も言わない。
「—ったく、腹減ってるのに余計な体力使っちまった」
ぶつぶつとそう呟きながら女2人の存在を思い出したかのような反応をする。
「おっとすまなかったな。テメエらを離して的にされると厄介だったんでな、ホラよ」
そう言いながら彼女たちを地面へ下ろす。
「ありがt「す…す…」
礼を言おうとした彼女を遮って、少女が声をあげる。
しかも、ぶるぶると震えている。
「あー…怖かったか」
「すっごーい!すごい強いのねアンタ!
 もしかしてかなりの手練れ!?」
そう言って顔をあげた少女の表情はきらきらと輝いている。
その言葉にいささか気分を害したらしい才蔵。
「あの…「もしかしてって見たろ?今のワザ。あ!?」
彼女の言葉は再び遮られる。
「それより先に礼だろ?礼!」
「このぐらい強いなら女の子1人守るくらいお手のもん!?」
「人の話聞いてんのかコラ」
(ああ…私を無視しないで…そしてけんかもしないで…)
すっかり彼女は置いていかれている。

「あーまあいいや。この先、気イつけてな、じゃ」
そう言って去ろうとする才蔵の手をがしっと少女はつかむ。
「あーっあーっ」
「なんだ?離せよ」
「さっきの奴ら見たでしょ。
 男だったら助けてやろうとか思うのがフツーでしょ、情けない!」
「情けない!?」
(カチンッとかいう音が聞こえたような…)
「だから、アタシと一緒に信州上田まで行かない!?」
「は!?そいつがいるだろ!見たところお前も忍だろ!」
「へ!?私!?」
「じゃああなたも!!」
ビシッと指をさされて少しのけぞる。
「私は別にいいけど…」
行き先一緒だし…
そう言い終わるかどうかの時。
ぐううぅぅと才蔵の腹がなった。
「Σ……」
「……」
「おソバおごってあげるよ!?」
その言葉に才蔵がおれたのは言うまでもない。