二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

-01- 序章 踏みしめた紅葉と偶然、必然の確率 ( No.10 )
日時: 2012/01/29 21:29
名前: 天音 (ID: P/D0CuiW)

-01- 序章







 「……眠い。」
「明日登校って分かってんのに夜中まで起きてるからだろ。」
「……ですよねー。」


京都市街地、美しい紅葉蓆もみじむしろの敷かれた石畳を歩く二人。

ふわぁ、とあくびをする紫銀の髪の少女。
片手には学校指定であろう鞄を持ち、もう片方の手で目の縁に滲んだ涙をを拭う。



“神原結祈”。

それがこの紫銀の少女の名前である。


もっと言うならば十四歳の中二、此処京都市街地にある“花祭中学かさいちゅうがく”に通う生徒、生徒会役員、といったところか。

「僕、今日は家から出る気なかったのに。」


残念そうに言葉を紡ぐ彼女。
前述の通り分かるとは思うが一人称が“僕”である。だがしかし女装男子とかではなくれっきとした女。どうかそこは理解して頂きたい。

では彼女の説明はこれ位に収め、話しに戻る。





ガサガサと乾いた音を立て踏みしめる紅葉。しかしそれには目もくれず、高い空を見上げた結祈は、ふと口を開いた。
上空を飛ぶ鳥が一声、大きく鳴く。



「……僕、なんで生徒会役員なんてなったのかな。」
「……現会長の強制的な意向。」
「あ、そうだ。奏始よく覚えてるね。」


結祈の疑問に間髪入れず答えを上げる彼、“天咲奏始”。
此方に関しては特に説明はないだろうか。
十四歳の男、結祈と同じく“花祭中学”の生徒、及び生徒会役員。
血縁に触れるなら、隣を歩く頭半分背丈の低い結祈の従兄弟である。



そして、





















              この二人が後に巻き込まれる大きな事件の“障害物”と“切り札”になるのだ。






せっかく休日にも関わらず生徒会のおかげで登校することになってしまった彼等。表情が暗く、テンションが沈んでゆくのは必然。



だが、少女が家電製品店のショーウィンドーの前で足を止めたのは、

「……破壊活動?」

少年がテレビの中で記事を読む女性アナウンサーを凝視したのは、



“謎の組織、エイリア学園襲来”



                偶然か、必然か。