二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 魔天使マテリアル<悪魔と人間のはざまで> ( No.5 )
日時: 2012/01/31 20:58
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)

第1話「冷たいマテリアル」

1.転校生



男子1「大ニュース、大ニュース!」

朝の会10分前。サーヤと同じクラスの男子が、いきなり駆け込んできた。今日は日直らしく、日直日誌をわきに抱えていた。

男子2「なにが大ニュースなんだよ?」
男子1「なんと! このクラスに転入生だとよ!」
全「えぇっ!」

クラス全体が、どよっとなった。みんな、近くにいる子と、どんな子か想像の姿を話しあっているようだ。女子の間では、かなり興奮しているところもあった。
サーヤの前にいる女の子、千晶も話しかけてきた。

千「ねえ、気になるよね、転校生。」
サ「うん。ちょっとどきどきしちゃうなぁ。どんな子なんだろう、って。」
千「もしかしたらさ、レイヤが転校したからじゃない? ほら、サーヤのとなりの席あいてるし……そこに座るかもよ?」
サ「えぇっ。ちょ、ちょっと千晶ちゃん! ない、絶対ないって! そんなつごうのいい話し!」

サーヤが顔を赤くして反対する。サーヤは、レイヤが転校していったから、入ってくるのは男の子だと思っていたからなのだ。
と、こんな盛り上がっている教室に、先生は入ってきた。みんなはあわてて席につく。もうチャイムが鳴っていたようだ。

先「では、今から新しいお友だちを紹介します。」

みんなが「やっぱり。」というように、後ろやとなりの子と話し始める。しかし、先生はそれをすぐに制した。
そして、ドア越しの子に向かって「入っておいで。」と優しく声をかけた。
入ってきたのは、サーヤの予想を裏切る、むしろ、美少女という感じの子だった。
銀色がかった、首のつけ根までのクリーム色の髪、うれいを秘めた黒い瞳は、愛らしいたれ目だった。口元も優しげで、まさに男子の理想の女の子とは、こんな感じなのだろう。

先「さあ、自己紹介して。」

黒板に名前を書き終わった先生は、そう言った。

『予知睡 光』

黒板には、そう書かれていた。

予「予知睡 光と言います。勉強が得意なので、よく分からない問題があったら聞いて下さい。」
男子1「ま、マジですか!?」

男子のひとりが、身を乗り出して聞いた。予知睡はおどろいた様子だったが、すぐにうなずいた。

男子1「じゃあ、あとで教えていただきたい問題が……。」
予「あ、はい、分かりました。」

予知睡は、小首をかしげてにっこり微笑んだ。その微笑みに、男子がトロトロと溶けて、鼻の下がのびた。そのようすを、千晶は「男子だらしな。」とつぶやきながら見ていた。

先「じゃあ予知睡さんの席は……立花さんのおとなりね。」

先生が、まだ暮らすの人の名前が分からない予知睡にも分かるように、サーヤを指さした。
予知睡は、すぐほほ笑ましい顔で「はい。」うなずくと、サーヤのとなりの席についた。

予「えっと……。」
サ「あ、立花 紗綾です。サーヤって呼んでください。」
予「分かりました。よろしくおねがいします、サーヤさん。」

光は、サーヤに向かっても、にっこり微笑んだ。サーヤもその微笑ましい笑顔に、自然とほおがゆるんだ。



まだ知らない、光のとんでもない秘密なんて、まだ知らないから——……。

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ありがちな題名に、ありがちな内容ww