二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマ 【幻想で響くシャンソンは】 東方project ( No.16 )
- 日時: 2012/02/17 19:54
- 名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: SOGiHJ/a)
- 参照: 地獄の底から、舞い戻ってきt((((
『東方幻想夢』
第二話
目、目、目、目、目。
何処を見渡しても大きな瞳しか見えない。
そして、その空間から、そのスキマから、“腕”が出てきた。
「…まったく、呼び出されて気分が悪いわ。」
— 神隠しの主犯 八雲紫 —
その金髪の少女、“紫”の視線の先には、桃色の髪の少女がいた。
「あらぁ、まぁいいじゃない。親友の好で。」
— 幽冥楼閣の亡霊少女 西行寺 幽々子 —
すると、幽々子の顔つきがさっきとは違く、突然険しくなった。
「…そろそろ、“終幕”がきたの?」
「……そのようね。
私達も…もう、お終いよ。」
—紅魔館にて—
「…小悪魔、そこにある魔導書を持ってきて頂戴。」
— 知識と日陰の少女 パチュリー・ノーレッジ —
「は、はい!只今!」
— 小さな見習い悪魔 小悪魔 —
「むきゅ……。」
「どうしたんです?そんな難しい顔して。」
小悪魔は、パチュリーの顔を軽く覗き込み、
魔導書を手渡した。
「最近、“幻想郷”がおかしいのよ。」
「おかしい…とは?」
そして、日陰の魔女、パチュリーはこう答えた。
「境界線があやふやなの。
夢と現の境界線が——。」
「…話とは、何かしら?」
— 永遠に紅い幼き月 レミリア・スカーレット —
「ああ、少し用があってな…」
— 山坂と湖の権化 八坂神奈子 —
「貴方が来るなんて珍しいじゃない。
よっぽどの事があったんでしょう?」
レミリアは、彼女に問う。
すると神奈子は、ゆっくりと頷いた。
「そろそろ、私たちは終わりかもしれん。」
「…そう、もうそんな時間になったのね。」
二人は向かい合い、落ち着いて話をしている。
「それで…お前の所のメイドの事だ。」
「咲夜の事?」
レミリアは、十六夜咲夜の姿を思い浮かべる。
「ああ、うちの早苗と同じ、人間だそうだな。」
「ええそうよ。あの子はよくやってくれてるわ。」
すると神奈子は、目を吊り上げた。
「彼女のような人間を、今のうちに夢から目を覚まさせた方がいい。
簡単にいえば——」
レミリアは、紅茶を飲みながら答えた。
「幻想郷から、現実世界へと追い出す事ね。」