二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマ 【幻想で響くシャンソンは】 東方project ( No.23 )
日時: 2012/03/05 20:49
名前: ドロップ ◆8WWubVa7iM (ID: udZFMs3r)

『東方幻想夢』














——暗い、暗い竹林の中。



「おや、迷子かな?」



——迷いは人間の心の迷いから。



「大丈夫、泣かなくていいのよ。
 私が、貴方の案内人になってあげるから。」


——真っ暗な世界の中に、一つの大きな明るい灯。


「さぁ、御覧あれ!
 これから辿るは貴方の真実!」


——今、不死鳥が羽ばたく。


















丑ノ刻、人里にて。




「いま戻ったわ。待たせたわね。」


— 蓬莱の人の形 藤原妹紅 —


「どうせまた迷子を案内していたのだろう?
 別に悪いことなど何もない。」


— 知識と歴史の半獣 上白沢慧音 —




「しかし、時間に遅れた事には変わりないからね。」

と、妹紅が笑顔で答える。


「お前のその心の広い所は、長所であり短所だ。
 少しは気をつけて行動をしろよ。」

慧音は腰眉を寄せ、それでもなお少し口元に笑みを残している。


「わかってるわよ、何万年も生きてるんだからね。」


そう、妹紅は蓬莱の薬を飲んだ人間である。

その薬のせいで、彼女は老いる事も死ぬ事もない———

すなわち、不老不死だ。




「そうか…まぁ、自分の事は自分がよく知っているからな。
 さぁ、行くぞ。」


「そうね。
 そろそろ、最後の時期だから。」
























同時刻、地霊殿にて。




「お姉ちゃん…大丈夫なの?」


— 閉じた恋の瞳 古明地こいし —



「…ええ、心配しなくていいわ。
 やっと、貴方も恐れていた能力が解放されるの。」


— 怨霊も恐れ怯む少女 古明地さとり —



さとりは、自分の妹であるこいしの頭を優しく撫でる。



「さとり様!
 御神輿の用意が出来ました!」


— 地獄の輪禍 火焔猫燐 —


「花火の用意も出来ましたよ!
 最後は、パーっと行きましょう!!」


— 熱かい悩む神の火 霊烏路空 —



「あら、花火はお空が打ち上げるのかしら?」

と、さとりはゆっくり笑う。


「ええ、もちろん!」















最後に包むは何の光?