二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Story 『遊戯』ターン ( No.31 )
日時: 2012/05/12 22:53
名前: 雪華 (ID: 7G9M03h3)
参照: 先に本編更新!

(6)出揃った駒の奏者

















  (さあ、茶髪に赤い瞳の少年の正体は?)








「・・・!?」
「あはは、驚くのはまだ早いよ神童拓人? ここからが本当のスタート。プレイヤーが揃ってこその遊戯なの!」



煌くスフェーンの瞳。
出現した少年に目を見張る神童を前にして、純白『だった』少女はあどけなく笑う。
空間を行く宛の無い風が惑いながら渦巻いた。
はねまくった茶髪が踊るのを抑えようと頭に手をやった瞬間、謎の来訪者から洩れる疑問符。
一人足りないことに気づいた少年は世界の森羅万象全てが気に食わないとでもいうように相棒へ文句をつける。



「ったく、結祈を知らないか? 先に来てるはずなんだけどな。」



意地悪く両手を広げ、肩をすくめた少女は「どうでしょう」と笑みを零した。



「結祈のことだから・・・その辺に隠れて奏始が困ってるの見て喜んでるんじゃないの?」
「別に困ってるわけじゃないからな。」



不機嫌さを保ちつつ、冷静に反撃の言葉を並べる赤い瞳の少年の名は———天咲奏始(あまさき そうし)。
【時限の魔術師】という異名に恥じない魔法を操る“航海者”である。
そして彼が探しているパートナーの名は神原結祈(かんばら ゆいき)。
こちらも右に同じく“航海者”で【夢幻の魔女】と呼ばれ恐れられる存在。
そんな結祈の性格は大雑把に言えば御気楽者、ゆえに奏始を年から年中困らせる悩みの種。
「何処かで昼寝でもしてるんだか」とぼやいた苦労少年はいかにもうんざりといった様子であった。






「まあいいか———あいつは措いといて———単刀直入に聞くが、」
「どうぞ?」


余裕の微笑みを浮かべる哀零、予想以上の魔力に戸惑いキッと唇を噛む奏始。『殺気』とでも呼べばいいらしいモノがあたりを漂い、それを振り払おうと邪険に手を動かすいつの間にか現れていた第三者。
“あれ、居たの?”と言いたげな二人に彼女がぬけぬけと放ったのは———“ここ空気悪いよ。”の一言で。











「まあこんな閉め切った部屋だから仕方がないんだろうけどさぁ。」




挨拶代わりも何もなく、立ちすくむ神童に至っては誰も気づいてくれない始末だった。














駒の配置はよし———物語構成もよし。

「さあ、今こそ世界を変える時!」





二人の航海者。  “めでたしめでたしで終わらせるつもりはないからね?”

二人の魔女と魔術師。  “揺るぎない世界が生まれますように。”

二人の探偵。  “真実へ辿りつくのが使命、たとえそれが彩られた偽物だったとしても。”


















































































                              嘘吐きは誰ですか———?