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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Legend 『遊戯』ターン ( No.46 )
- 日時: 2012/04/16 20:16
- 名前: 舞雪 (ID: TVgEc44v)
(8)今更スタート、ゲームマスターによる開始宣言
「・・・こいつがシンドウタクト? え、誰それ。」
「新しい参加者ってことか。」
「あったりー、奏始!! ってことよ、自己紹介する、神童拓人?」
眉を顰める結祈、神妙に納得と頷く奏始。それからにこと少年に微笑みかける哀零。
そんな三人を前にして当の本人は困惑していた。
まあ当たり前といえば当たり前、ここまで遊戯を続けてきて哀零からの説明は全くもって無かったからである。
しばらくの沈黙の後———うっかり者を睨む航海者たち、つられてそちらを向く神童。その目線の先には「あはは」と照れ笑いをするしかない鈍感魔女が突っ立っていた。
「え、これもしかしてマズい?」
“マズいに決まってるだろ”とあたまを抱える赤い瞳の少年に藤色の髪を揺らしながら少女が抗議する。
「奏始だって説明してないじゃん。遊戯のゲームマスターって、誰だっけぇ?」
「・・・俺だな。」
くすくすと笑う犯人を未練がましく一瞥し、コホンと咳をする少年。
呆然と魔女魔法使いのこじつけ合いを眺めていた神童は我にかえったように目を見開く。
彼が目にしたものは『魔法使い』の本当の姿。
イコール、彼の成れの果て。
“ようこそ、我らが遊戯———【魔法物語(デスウィッシュ・ストーリー)】へ。”
何気に格好良い台詞を言うためにテンションを上がるべくニヤッと笑みを浮かべる奏始だったが、その表情は一瞬しかもたずに崩れ去り、最後には溜め息だけが残った。
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