二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ヘタリア】私は、何者なんでしょう? ( No.218 )
- 日時: 2012/05/29 21:45
- 名前: 陽菜 ◆y/0mih5ccU (ID: c9ok9eqZ)
【?視点】
ほら、問わせてよ?
僕から君へ
君から僕へ
そう、これは
君の試験
逢わせて、最期に
交わして、約束
空中指切り
忘れたら、駄目、だよ
孤独な僕から
不思議な君へ
優しい君へ
寂しい試験
悲しい試験
ほら、また。
さよなら世界。
また、結んで、開いた。
また、解けて、閉じた。
思い出して、僕の事。
思い出して、君の事。
もう、時間は無いから。
*
「おっしゃー、あれがお札だな!」
「ですね」
祠の手前に来て、お札を見つける。
ハァー…。やっと帰れますよ…。
とっとと出ましょうこんな暗いとこ。
「…お? 何か書いてある」
「あれ…? 本当ですね。何でしょう…?」
うーん、見にくい。
筆で書いたんでしょうかね…。
えーと…?
「…ほら、問わせてよ?
僕から君へ
君から僕へ
そう、これは
君の試験
逢わせて、最期に
交わして、約束
空中指切り
忘れたら、駄目、だよ
孤独な僕から
不思議な君へ
優しい君へ
寂しい試験
悲しい試験」
私が一気に読み上げる。
……試験?
何だろう。何だろう。
私………………。
私………………。
私………………!!
「…月藍?」
名前を呼ばれ、ハッとする。
「どったの? 早く帰ろう?」
「…は、はい! そうですね」
笑顔を、作る。
ああ、何だろう。
この感じ。
前にもあった。
「——————…ほら、また」
「……え……?」
戻ろうと、踵を返した時、後ろから声がして。
…だ、れ…?
狐のお面で、顔は見えない。
黒い浴衣に、赤の帯。
ボロボロの草履に、傷だらけの足。
—————そして、印象的なのは。
ちらりと見える。
藍色の髪。
「……ッ。貴方、は…。誰、なんですか…」
「………フフ」
怖い。
聞いちゃいけない事を聞いてしまった。
だって、
お面から
目が少し見えて。
その目は。
私と同じ
金色の、目。
幼さが残る体つきは、少女という事を表している。
耳くらいまでの長さの髪は、所々はねていて。
「……わた、し……?」
「……—結んで、開いて」
頭の中がぐちゃぐちゃになる。
私…なの?
どうして? どうして?
何で? 何が?
どういう事——————!?
「月藍ってば!」
「え…、あ」
「早く帰ろうぜ?」
ボーっとして、動かないんだもんなぁ。
と、言う。
いつの間にか、少女はいなくなってた。
………………?