二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ヘタリア】私は、何者なんでしょう? ( No.241 )
- 日時: 2012/07/06 23:01
- 名前: 陽菜 ◆y/0mih5ccU (ID: c9ok9eqZ)
「案外、綺麗事って嫌いなんですよね。あは、私が善人とでも思ってました?」
とんだ大外れな期待だ、
と少女は嗤う。
満面の笑みなんだけど
偽物っぽくてさ。
やっぱり、信じられないよ。
「……」
大きく息を吸った
次の瞬間。
「————自分の気持ち、しっかり持ってますか!」
叫んだ。
誰にでも、
誰かに
君に
届くよう。
「他人に流されないで下さい! 自分は、自分でしかないから!! ……しっかり、気持ち……持って、伝えて下さい」
私は、出来なかったから。
と、付け加えて。
悲しげに微笑む。
嗚呼、やっぱり、偽物だろう?
「少し。お話して良いですか?」
言うと、隣にいる黒髪の少年の制服の裾を引っ張った。
周りにいた、人は保健室から出ていく。
「……あーーッ!! めんどくさいなァ、もう」
「……? 夜月さん、では…ないですよね」
首を鳴らして。
気だるそうに言う。
「うん、そう。……てか、あの子は……。
もう、 死んでるの」
「……え……?」
言葉の意味が分からず、驚くのだが、それももう。
「……この身体は、いつ消えたっておかしくない。あの子の、異様なまでの精神力がこうやって存在させてる」
「じゃあ……、貴方は……?」
ん? 僕?
と答え、一秒ほど開け。
「灰罹。グレーともいう」
「灰罹さん…」
「……有難う。本田 菊さん。あの子、夜月ね? 貴方の事が大好きだったみたいだよ。相当」
少し、赤面する少年。
それも構わず続ける少女。
「さっき僕が言ったのは、夜月の本心。伝えたかった事。変なトコ我慢してるでしょ。言ってあげたんだよー。
……あのね、そろそろ身体は消えちゃうけど」
「?」
「夜月、また生まれ変わる…輪廻転生するはず。だから、その時は宜しくしてやってね」
それじゃあ、ね。
と手を振ると、段々見えなくなる姿。
フワフワと、周りの空気に溶け込む。
消える、消える。
少しだけ怖いけど、大丈夫です。
ね。
静かに、目を閉じる。
次に目を開けたら、一人。
「……さよなら」