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黒と白と灰。
この3つの色しか無い世界。

黒は、悪。

白は、善。

灰は、そのどちらにも染まっていないもの。

『…僕はどれかな〜？』
「アンタは、黒じゃない？」

黒だと…！((
自分が灰か白だと信じたい。

『あの子は？』
「絶対的な、灰。何者にも染められていない、純真無垢なちっぽけな存在よ…。…あれを除けば」
『だよね。本っ当、運命っていうのは、酷いものだ。いや、惨い…かな』

あれさえ無ければ、平和に、穏やかに、1人の人として、一生を終えるだけだった。
普通の寿命で。
あれがあるから、何もかも、崩された…。

それだけの事なの。

本当、この世は残酷ですね。




















あの子の、記憶だけでも、取り戻してあげよう。

それが僕の宿命だ—————…。