二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【REBORN!】白銀の風、黒の舞姫【標的2.5更新】 ( No.114 )
- 日時: 2012/10/27 22:52
- 名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
- 参照: http://ameblo.jp/allen-riyunkio-exorcist/entry-11386137051.html
【ツナ目線】
標的3.5「和解」
「はああ〜」
思い出すと、思わずため息が出る。すると、
「まあ、まあ。そんなにため息つくなよ。ツナ」
「や、山本ぉ」
「そうだよ。ツナ君。話し合ってみたらいいと思うよ」
「エンマも」
山本とエンマに慰めてもらったオレは覚悟を決め、
「・・・そうだよな、オレ頑張ってみるよ」
頑張って仲直りしてみよう。だって篠原君も悪気があったはずではないから。
「何を頑張るの?」
「「「「うわッ!」」」」
後ろの扉からいきなり声がしたので驚くオレたち。よくみると京子ちゃんがいた。それに後ろに隠れている人影も・・・。
「いや、な、なんでもないよ。京子ちゃん!」
後ろにいる人影をよく見ると、琥珀色のポニーテールが目に入った。たぶんあれは篠原君だ。
「お前ら何しに来たんだよ」
獄寺君は京子ちゃんの後ろにいる篠原君を鋭い目つきで睨む。すると、
「えっとね。鈴がツナ君に・・・」
代わりに篠原君の前にいる京子ちゃんが話し出す。
ふいに俺の名前が出てきて焦る。
————えぇ! オレ何されるの!?
京子ちゃんは後ろに隠れている篠原君を見ながら言った。
「———謝りたいんだって」
「へッ?」
思わず変な声が出てしまう。え? 篠原君がオレに、謝る?
耳を疑っていたオレの前に、おずおずと篠原君が出て来た。
「・・・さっきは悪かったな、沢田。アンタのせいにして」
小さい声だった。そして顔を沈めている。
そ、そんなに責任を感じなくても! オレは焦りながら声に出した。
「いや、いいよ、そんなこと。オレも机をちゃんとしておけばよかったんだし・・・」
そう言うが篠原君はまだ顔を沈めていた。慌ててオレは付け足す。
「おわびにチョコ買うからさ」
ピクッ、と耳が動いた————気がした。すると素早く篠原君の顔が上がる。上がった顔に俺は思わず驚いた。
何故ならそこには、幼い子どものように目をキラキラさせ、満面に笑みを浮かべていたからだ。そして篠原君は大声で、
「マジで!? 約束だぞ!」
そう言うとさっきよりも満面の笑みを浮かべる。
ドキッ。
心臓が早鐘を打った。
————あれ、オレ大丈夫かな。男なのにかわいいって思っちゃった。やっぱり京子ちゃんに似ているからかな・・・。
思えば、笑うと少しだけ京子ちゃんに似ている気がする。やっぱり、いとこだもんな。
そう思っていると後ろから、
「やったね、鈴。仲直りしたね」
「やったな、ツナ。仲直りしたじゃねーか」
京子は篠原君に、山本はオレに言った。しかもふたりとも、まるで自分のことを嬉しがるように笑顔だった。
篠原君も安心したのか、いつの間にか笑顔でいる。
オレも仲直りできたことに、ほっ と一安心し、やっと笑えたんだ。
〆 10月27日