二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN!】白銀の風、黒の舞姫【リメイク中】 ( No.69 )
日時: 2012/10/30 19:50
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs/index.php?mode

  標的4「零れ落ちた、欠片を拾って」


 さて、謝罪も完了したところで・・・。
 沢田に謝って許してもらったのも一部あるが、それよりチョコをおごってくれることになったので、私は嬉しさで有頂天になってしまっていた。

 「ねぇ、沢田」
 「ん、なに?」
 「みんなもいいかな?」

 私が指している『みんな』というのは、獄寺、山本、古里のことだった。

 「なんだよ」「なんなのな?」「・・・なに?」

 ・・・そして私は口を開く。

 「みんなのことあだ名で呼んでいい? あ、みんなも『鈴』って呼んでいいからさ」
 「いいよ」「別に・・・いいけどよ」「いいぜ」「うん、いいよ」

 全員の了解を得たところで、早速あだ名で呼んでみる。

 「んじゃあ、これからよろしく! ツナちゃん、たけちゃん、はやちゃん、えんちゃん!」
 「「「「・・・!?!?!?」」」」

 みんな、とても驚いた顔をした。沢田に至っては、(何その呼び方ー!?)みたいな顔をしている。

 「・・・え? なんか変なこと言った?」

 そう言った私に獄寺が呆れた顔で言う。

 「なんだよ、・・・その呼び方」
 「・・・向こうで、男子には名前の二文字を取って『ちゃん』づけで呼んでたんだけど・・・。おかしい?」

 ちなみに『向こう』というのはイタリアのことだ。
 みんなは、(おかしいよ!!)みたいな顔をしている。

 「・・・沢田は『つなちゃん』はいや?」

 そう聞く私に沢田は困ったような顔を浮かべ、

 「みんなには『ツナ』って呼ばれているから、オレはそっちのほうがいいかな」
 「じゃあ、沢田は『ツナ』って呼べばいいね? 獄寺は?」
 「・・・いやだぜ、俺は」

 うわっ! すごく睨まれてる。鋭い視線を肌で感じる。『はやちゃん』はダメなら・・・と、他のあだ名で言ってみる。

 「じゃあ、・・・『ごくちゃん』?」
 「なんでだよ!!!」

 そのあと獄寺にもっと睨まれたので、泣く泣く(?)『獄寺』と呼ぶことにした。普通じゃつまんないんだけどな。

 一方、山本は、

 「ん、俺はいいぜ!」

 さらりと言った。しかも笑顔で。のんびりとしたその笑顔は、獄寺の鋭い目つきでダメージを受けた私の心には、とても癒しの存在となった。心の中で山本に拝む。
 さて、残るは・・・。後ろを向くと古里がいた。

 古里を見た途端、私は息を呑む。何故ならその容姿は私が知る”あの人“によく似ていたからだ。いや、にてるなんてもんじゃない。瓜二つだ。

 「・・・コーちゃん・・・・・・」

 私は気づかないうちに”あの人“の名前を呟いていた。

 「えっ?」

 古里が驚き、声を出す。
 しまった! と思い、慌てて「なんでもない、なんでもない」と言ってごまかす。

 よくよく考えてみると、容姿はほとんど同じだが性格はまるで違う、と思う。私は古里についてよく知っているわけではないから、断言はできない。でも、”あの人“は私の中の『ある記憶』ではこんな暗くなかったと思う。

 まあ、そんなことは置いておいて。古里に聞いてみると、なんだかはっきりしない応えだったので、普通に『炎真』と呼ぶことにした。なんかショック。

 「ふぅーーーッ」

 私は肺の中の空気を吐き出し、気持ちを切り替え、みんなに、あのことをお願いしてみる。

「・・・あのさ、みんなにお願いがあるんだけど・・・」

そう言って私は京子、山本、獄寺、炎真、そしてツナを見る。

「学校案内も兼ねてさ。———探してほしいんだ」
「・・・何を?」

 ツナが尋ねてくる。そうだね、そのこと話してなかった。

私は、あのことの重要さを伝えるため、大人っぽく真面目な顔で、
「落とし物」
 と言った。 


  〆 10月11日