二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第一節 開発途中の魔術師達 ( No.16 )
日時: 2012/02/16 18:36
名前: 蒼炎 (ID: hj9a4sJB)


真「つきやァ?」


彼女はアリステルの意味不明な言葉に問いを漏らす。
2人の少年も黙っていた。


ア「うん。怖い人が追って来て、つきやに助けて貰って、別の怖い人が来て、つきやがエルフォードに逃げろって言って、さっきのビルに居て・・・」

真「(コイツ、追われてンのか・・・でも何処から?)」


真希は深く考え込む。
小さな少女はそれからの記憶が無いのか、黙って俯いた。

?2「最後に、そのつきやって奴と居たのは?」

赤い髪の少年は問う。
アリステルは俯いたまま、


ア「・・・ヌワラエス」

真「待てよ、此処はエルフォード。エルフォードはヌワラエスを的と見なしてンだぜ?どうやって入国した?」

ア「マンホールの中に入って移動した」


エルフォード、ヌワラエス、ルシフェニアの下水道は、ほぼ共同で使っている。
マンホールの中は、点検する職員が中に入るまで通路は取りあえず整備しているのだ。

コレなら、敵国だろうが何だろうが侵入は出来る。パスポートも必要無い。
しかし、


?1「下水道の中は、赤外線カメラで顔が解るんじゃないのかい?登録されている職員ならともかく、子供が入っても大丈夫とは思えない」

真「お前知らねェのか?カメラ黒く塗りつぶすか、ぶっ壊せばイイだけだろ」
   、、、、、、 、、、、、、、、、、、、、、
?1「壊しただけで、本当に使い物に無くなるのかい?」


薄い水色の髪の少年の質問に、彼女は返答に困りかけた。
すると、アリステルはサラリと言った。


ア「ヌワラエスとエルフォード下の下水道は、赤外線カメラが老朽化して、全然見えなくなってたの。幸運な事に、最近職員が点検してなかったから蜘蛛の巣絡み付いてたし」

幼い少女は立ち上がった。
こんな小さな少女がそこまで頭の回転が速いとは思ってなかった3人。

ア「お願い、つきやを助けるために強力して。私師走だから使えないの。だから、










瞬間、





周りの人間が一斉に転んだ。


よく見ると、全員が足を押さえてうめき声をあげていた。
パッと見て無事なのは2人の少年と真希、そしてアリステル。


真「何が・・・?」


倒れた人間の中心に、14歳くらいの少女が立っていた。






?3「魔法使いさん」



少女は歌う様に言った。
まるで、童話のお姫様の様な清らかな声で。



?3「魔法の靴をくださいな。自己中心的で人の事を考えない義母と義姉を苦しめた、冷酷で正しい魔法の靴をお1つくださいな」




ガコォンッ!!と原理不明な轟音が鳴り響く。