二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第二節 平穏と戦争の交差地点 ( No.23 )
日時: 2012/02/16 19:49
名前: 蒼炎 (ID: hj9a4sJB)


ドドドド・・・と津波の様な音がする。

カーナの背中から生えた水流の翼からの音だった。
彼女の瞳は先程までの空色の瞳では無く青く、碧く、蒼い、アイアンブルーと化していた。


カーナは華奢な左手を前へ伸ばす。

指先からは莫大な量の水が、光線の様に赤い髪の少年の腹へと突き刺さる。
幸い水の為、傷口から腹わたが溢れ出る訳では無い。

?2「ぐっ・・・」

真「おい、大丈夫かよ!?」


茶髪の少女は彼の方へと寄り、背中を支えて身体を起こす。

すると、アリステルは何か思い浮かんだ様な表情をし、いきなり


ア「哀れな少女、カーナ=ウィネスさん」

アリステルは、カーナと同じ様に歌う様に彼女に言う。
カーナは『?』と言う表情をした。
まるで、カーナがシンデレラ、アリステルが魔法使いかの様に。


ア「私は貴女を救いたい。でも制限時間(リミット)はもう終わり。王子様との夢の様な舞踏会も良いですが、








                      、、、、、、、、、、、、、、 、、、、、、、、、、、、
               ーーーーーーー夢に溺れているだけの人間なら、夢を掴む権利なんて無いよ。」




ガゴォンッ!!と衝撃波がエルフォード中に響く。

カーナの背中の莫大な水流の翼が根元からもぎ取られ、地面にビッシャァッ!とバケツに入った水を勢い良くひっくり返すように水が落ちる。


カ「ああァァぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!」


パタリ、と蜂蜜色の髪の少女は倒れる。

話術だけで敵を倒した小学生の少女に、薄い水色の髪の少年が問う。


?1「何故、話術だけで倒せた?晴矢を一回で倒した魔術師相手に。何故話術だけで君は・・・?」

ア「あの人は自己暗示型の魔術師。シンデレラは、良く言えば『夢を叶えた幸福な少女』。悪く言えば『夢に溺れた現実逃避しすぎの少女』。だから私は言ったの。『夢を叶えた幸福な少女』にじゃなくて、『夢に溺れた現実逃避しすぎの少女』に」

?1「・・・・」

ア「多分あの人はヌワラエスの人。今のヌワラエスは夜中12時くらい。・・・ほら、シンデレラに残された制限時間(リミット)はもう残ってないの」


薄い水色の髪の少年は、はー全く小学生に負けた自分は何なんだと言う感じで額に手を当てる。




水流の翼だった水は、ゆっくりと蒸発していた。