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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: Notre monde.〜僕らの世界〜【イナGO】 コメ求む ( No.6 )
- 日時: 2012/08/22 21:27
- 名前: 異識 (ID: JzqNbpzc)
- 参照: 元・琴葉です!
第一話 運命のベルが鳴る【Un sons de la cloche destinés】
「剣城、おはよっ!」
河川敷を後にした京介に、誰かが走り寄る。
「……松風。おはよう」
「楽しみだねっ、今日のオリエンテーリング!」
「そうか? ……いや、まあ、嫌いじゃないけど」
「うんっ、俺、昨日ワクワクして眠れなかったしね!」
松風天馬。京介の同級生である。
でもって今日は、新入生歓迎会を兼ねた全校オリエンテーリングの日である。
「どこでやるって言ってたっけ?」
「山のふもと。難民街になってる所だ」
「先生達、昨日は忙しそうだったよね。難民街の人達に許可貰わないといけなかったし」
「ああ。そうだったな」
全校オリエンテーリング。
雷門教導院に代々伝わる行事である。
ルールは簡単。部活対抗で山越えのタイムを競い、優勝した部活動には部費アップの申請権が与えられる。
しかし——
「確か、いくつかチェックポイントがあるって言ってたっけ」
「ああ。それも、俺達の戦闘能力を試すようなものばかり……な」
雷門教導院は、極東で唯一、列強諸国に抗おうとする教育機関である。通常の授業に加え、戦闘能力の向上を図る授業も毎日あるし、体育では実戦形式で行う事も多い。
故に——
「どの段階であっても、山越えが出来なければ俺達は見放されても当然、ってことだ」
「だよね……。頑張ろっか、剣城!」
天馬はぐっと握った拳を京介に突き出した。
京介は、無言ながらも天馬の拳に自分の拳を軽く打ちつけ、応えた。
——運命のベルが鳴るまで、あと——
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