二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *花うた*[銀魂]_6話更新!_ ( No.19 )
日時: 2012/02/21 19:27
名前: うさぎ (ID: ErSo6VVm)

番外編*バレンタイン[体育会系で料理が上手な奴なあんまいない]


「な、なんで誰も受け取ってくれないんだっ!!」

飛騨は春雨の船のなかで絶叫していた
理由は簡単、誰一人としてバレンタインのチョコを受け取ってくれないのだ
肩を落として歩きふと顔をあげると

「阿伏兎!ちょうどいいところに…!」

目線のさきには阿伏兎が仕事終わりで丁度帰宅していた
まだ阿伏兎には何も言ってないし、と淡い思いをよせ呼び止めた

「お?なんだ、飛騨かどーした?」

わくわくと近付いて行き、はいっ、と綺麗にラッピングした
チョコ(ガトーショコラ)を渡した、すると阿伏兎は受けとるどころか
チョコだと察したのか後退りして今にも逃げそうな顔をしていた

「うっ…阿伏兎まで…なんなんだよっ!そんなに私が嫌いかっ!!」

やはり少し傷ついたのか目にはうっすら浮かぶ涙
それをみて慌ててフォローし始めた阿伏兎


「ちっちが!受け取ったら殺さ…っ、団長が帰るまで置いとけよ!」

「だっていつ帰るか分からんし…もういい!誰にもやらんっ、私が食べる!」


そう、飛騨も一番お世話になった神威に最初に渡したがったが
あいにく3日前から一人で偵察という名の出張中だ
仕方なくチョコをポケットに押し込み部屋に戻った

**

「…」

さっきからチョコの入った箱とベットの上でにらめっこしていた
自分から食べると言ったものの、なかなか手がつけられずにいたのだ

「だぁー!食べる、食べてやるよっ!」

綺麗にラッピングしたりぼんを乱暴にほどき、ガサガサと袋も破って
蓋を開ける、どうみても綺麗に焼けた美味しそうなガトーショコラ(以後チョコ)
それをみてなんだか昨日頑張ったのが悔しくなり
おもむろにチョコを掴み口に頬張った


「美味しいのに」


ぽつりと呟く声は誰もいない、飛騨しか居ない部屋に消えていった


…はずなのに






「やけ食い?なんなら俺にちょーだいヨ」






肩を少しびくつかせ、恐る恐るドアの方に振り返った

「団長…!」

聞きたいことはいっぱいあった
だけどこんな惨めな自分を見られたくなくて、ガサガサと散らかした
チョコをかき集めてしまおうとした…けど


「なんで隠すんだヨ」


神威はそれを許さずにしまいかけたチョコをひょいっと取り上げ
そのチョコを口に頬張った

「こらっ!やめろっ、出っ…」

「うん、美味しい」

止めようとした矢先、一番聞きたかった言葉が鼓膜に響いた


ずるい

いつも、いっつも…


「団長のバカ…」


優しくぽんぽんっと頭を撫でてくれる神威

その瞬間きゅんっと心を締め付けるようなこの感覚、
まだ飛騨にはよく分からなかった。


⇒Happy end.

…後日

何故皆がチョコを受け取ってくれない理由
それは阿伏兎の口から教えてくれた

神威が皆に、飛騨から渡されても貰うな、と釘をうっていたからだった

ぽかーんと口をあけ茫然とする飛騨はある疑問を阿伏兎に投げ掛けた
何故なのか、と、すると阿伏兎はため息を吐き出して


「団長から教えてもらえ、この、すっとこどっこい」


それだけ言って何処かにいってしまった

「…意味が分からん」

ぽつりと呟く飛騨
飛騨にはまだまだ恋は無理なのかもしれない
そう阿伏兎は歩きながら悟り、神威に同情の念を向けたのは言うまでもない


‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

はい、と言うわけでめっちゃ遅くなったけどバレンタインイベントです!
ゆうさんちょっと鈍すぎるかな?
まぁ、後々分かればいっか!

とりあえずの方向性は神威→飛騨です
両思いになるといいね!