二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】果てしない旅路 リメイク ( No.2 )
- 日時: 2012/02/29 19:51
- 名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: kGzKtlhP)
第一話 ハジマリノカゼ
バチバチバチ・・・・。
なんだろう、この音。
良く良く見ると、森が燃えている。そうだ、木が燃えている音だ。
何で燃えているんだろ・・・?野焼き、かな?
赤く燃える森の奥に祠が見えた。・・・光っている。
私は、ここに一人居る。
判らない。
判らない。
ココは何処?
この森が焼ける音が悲しく聞こえるのは何故?
苦しい、苦しい!
喉が焼ける、背中が熱い!
寒い、寒い!
知らない、知らない!
私は知らないんだ、こんなトコロ!
何でこんなに暑くて寒いの!?矛盾してるよ、こんなトコロ!
知らない、こんなトコロ!だから、私をここに置かないで!
「私を一人にしないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
◆
ジリリリリリリン・・と、音がする。
意識を手放しているせいか、私の耳には中々届かない。
だんだんと音が大きくなった。そのせいか、私は少しずつ意識を取り戻していく。
そうか、この音は目ざまし時計だ、うん。五月蠅いなあ、今日は休日だからオフにしていたのに・・・・。
そう思う私には気にもせず、目ざまし時計はジリリリリリリリン!ジリリリリリリリン!と一層五月蠅く音を鳴らす。
ジリリリリリリリリン!ジリリリリリリリリリリン!
あー、五月蠅い。
「もう少し寝かせて・・・」
そう言った瞬間。
バッカン!ボッカン!
ピコ—ン!ピコーン!
「板た多々多々た多々た多々!」
あ、間違えた。「痛たたたたたたたたたたた!」だった。表記間違いでした。読者の皆さまごめんなさい。
「・・・起きなさい、コライユ」
まだ完全に眠気が覚めていない目を開けると、母さんが呆れている顔が見えた。大きく跳ねた(生まれつきらしい)セミロングの明るい茶色の髪に、半そでのTシャツ、その上に真っ白なエプロンを着ている。しかも手元にはピコピコハンマー(特大)が二つあった。
・・・多分読者のよい子の皆さまは上記のエフェクト音じゃ判らないと思うから説明しよう。私の母モトコは大事な娘が目ざまし時計をかけても起きないから・・と言うか目ざまし音が五月蠅かったから私をピコピコハンマー(特大)でおこしたのである。
くそう、二刀流なんて反則だ!何気にカッコイイし!
「・・・おはようございます、お母様」
取りあえず私は母さんに挨拶をする。取りあえずだ、うん。
私は上半身を起こして、ふと自分がビッショリ汗をかいていることに気づいた。気づいた途端、ふと今日の夢を思い出した。
燃えている杜の奥に、光り輝く祠・・・・。
今日の夢は何か伝説チックだったな・・・。なんて、母さんに言うと、
「夢とは得てしてそーゆーものです。それより早く起きなさい。オール君とウツギ博士が待っていますよ」
と、軽くあしらわれた。畜生、結構凄い夢見たと思ったのに。
そして母さんの言葉に気づく。オール君と、ウツギ博士・・・?
グルグルとまだ眠気が覚めていない頭をフル回転する。えーと、今日何があったっけ・・・あ、そういや中等部卒業したっけ・・・あ、そりゃ三カ月も前の話だ。違った、そうだ先週電話で来て欲しいって頼まれたんだよね、ウツギ博士に。その日が七月三日・・・って今日何日だ?
そこまで思い出して、私はやっと気付いた。
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