二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【ポケモン】果てしない旅路 リメイク【参照100感謝】  ( No.27 )
日時: 2012/03/04 18:23
名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: kGzKtlhP)

          ◆

「……取りあえず、ひとまず解決ってことで、いいかな?」

 私が締めくくると、オールがため息をつく。

「やっと終わったぜー、今日はひやひやしたな」
『まさかロケット団が現れたなんてねー』
「何か今日は濃い一日だったわ……」

 私がため息をつくと、私のポケギアが鳴った。

「ん? ……あ、博士からだ」

 電話に出る。

「はい、もしもし?」
『こ、コライユちゃん、オールくん! た、大変なんだ!!』

 ウツギ博士の慌てた声が聞こえた。

「なんですか? ポケモンじーさんの家を荒らしたロケット団は追い出しましたよ?」

 オールが答える。

『あ、そっちは片付いたんだ。今度はこっちの問題なんだ!』
「何ですか?」

 まだ私は知らない。
 濃い一日は、ここからがスタートだってことを。




        ◆

 そう、なんやかんやでウツギ博士は油断していたのだ。
 いやー、ポケモンじーさんの家にロケット団が来るなんて恐ろしいなー、とは思っていた。
 だから注意しとこうかなーと思っていた。
 だが、まさか自分の家には来ないだろうと油断していた。
 ちょっと目を離し、別の事に没頭していたら、チコリータのモンスターボールが無かった。
 まあ、とどのつまり———————————盗まれた、のである。

「何やってんだあのB型マイペース博士はよお!!」

 ダッダッダッダ、と物凄いスピードで走る私たち。オールはいらいらしているようだ。
 そりゃそうだろう。何故ならロケット団騒動に巻き込まれ、やっと終わったと安堵の息をついた瞬間だったのだ。しかも、警戒もせずに別の事に没頭してるなんて、阿呆過ぎる。
 あとで鉈をお見舞いしてやろうか……と、私も思っていたりする。

 その時、ヨシノシティの入り口の花畑を通った先に、緋色の髪を持つ少年の姿があった。
 少年は紺のフリーズに黒いブーツと、色鮮やかな花の前では目立った格好をしている。

「誰だろ、あれ」
「ここらじゃ見かけねえよな」

 私とオールは思わず足を止めた。すると外に出ていた天后と騰蛇が身構える。

「どうしたの、天后、騰蛇」
『アイツ……なんか嫌なにおいがする』

 騰蛇の言葉に、天后も続ける。

『ええ……吐き気がします』

 その時だった。

「お前ら……ポケモントレーナーか?」

 あっちから、声をかけられた。

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