二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【ポケモン】果てしない旅路 リメイク【参照100感謝】 ( No.36 )
- 日時: 2012/03/08 18:45
- 名前: 火矢 八重 ◆USIWdhRmqk (ID: kGzKtlhP)
◆
「・・・なんか一日が長かったねえ」
「ほんとだなあ・・・」
星空を見上げながら、呟く私とオール。
ホントはウツギ博士に頼まれごとがあっただけなのに、ロケット団にあったり強盗少年にあったり・・・。
ホント、今日で人生半分終わったかと思ったよ。
「・・・人生、か」
「?何だ?」
「何でも無いよ、オール」
そう言いながら、私は手元にある卵に視線を合わせた。
◆
ロケット団を退治した後、ポケモンじーさんの手元に卵があることに気づいた。
不思議な模様だ。だが、その卵がなんのポケモンか、私は知っている。
「・・・ポケモンじーさん、その卵・・・」
「ああ・・・ロケット団に狙われた卵だ」
そう言って、俯いたポケモンじーさん。私も、俯くしかなかった。
この卵が何を表すか、私もじーさんも知っている。—————それは、千年以上前から。
「・・・ロケット団に狙われると言う事は——————コライユ、近いうちお前自身が災いの元になるだろう」
そう告げるじーさんは、アンニュイな雰囲気ではなく、本当にまじめだった。
知っている。私も。それがどれだけの災いになるか————————。
「・・・運命が、動き出したと言う事?」
「だろうな。これを運命以外に例えられるとしたら、惨劇だろう」
惨劇、と私は口の中で呟く。
…これはふざけているわけでもなく、真剣な話だ。
もう二度と、あんな過ちを起こしたくはない。…いや、二度も起きているか。
それでも私は食い止めたい。それが、万が一でも億が一ぐらいの可能性だとしても。
あの夢は…今日見た夢は、何時から忘れていただろう?自分の罪を、刻みつけたハズなのに、どうして忘れてしまったのだろう?
このままじゃ、また誰かがいなくなってしまう。…これ以上、誰も失いたくない。
「…じーさん。私は、これからどうすればいい?強くなりたいんだ」
そう言うと、じーさんはこう言った。
「……わしや、お前だけじゃきっとこの運命は変えられない。誰かの力を借りないと」
「でもそうしたら!また巻き込んでしまうじゃない!!」
興奮した私を、じーさんは静かに制した。
「落ちつけ、コライユ。……三年前、たった三人でロケット団を壊滅したものがいる」
ポケモンじーさんは、続ける。
「一人はレッドという青年。もう一人はグリーンという少年。あと一人は名は公開されなかったが、少女だったらしい。レッド少年は今シロガネ山にこもりっぱなしで、グリーン少年はカントーのトキワシティでジムリーダーを務めている」
その言葉に、私はやっと理解した。
私一人では負けてしまう。ならば、私よりも強い人を味方につければいいのだ。
それがロケット団を一時壊滅に追い込んだトレーナーなら……申し分ない!!
「とにかく、その人たちを味方につければよさそうだね!!」
「ああ……だが、レッドはシロガネ山に居る。シロガネ山に入るにはジョウト地方のジムバッチとカント—地方のジムバッチを集めなければならないぞ」
「だったら私が強くなればいいこと!!」
私はもう不安では無かった。
確かに、道のりは険しいと思う。けれど……目標さえ決めれば、後は突っ走ることだけに専念出来る!!
「そうと決まれば明日から旅に出よう!!キキョウシティ目指して!!さて、母さんに言わないと!!」
「ちょ、落ちつけえええええええええええええええ!!」
ポケモンじーさんが、暴走しようとした私を止めた。
「何? Gさん」
「それ、ギャグ? あんま面白くないぞ?
・・・・・・これを渡しておく」
渡されたのは、狙われた卵と、書かれた紙切れ。
「・・・・・・この卵は、元々お前のモノだ。渡しておく。
とりあえず、コガネシティに居るオーキドに会いに行け。そして、この紙切れを見せろ」
「オーキド・・・・・・」
「トキワのジムリーダーの祖父だ。全国的にも有名で、大体カントーのマサラタウンを拠点にしている。わしとアイツは、昔からの馴染でな。ソイツに頼れ。ただし、オーキドに認められるかどうかは、お前にかかっている」
「判った」
私は即答した。
「・・・・・・・即答じゃな」
「——————もう、覚悟は決まっているから」
◆
私は卵を抱きしめて、笑った。卵のぬくもりが伝わってくる。
——わたしは、皆に支えられている。だったら、頑張らなくちゃ!!
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