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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ONEPIECE -海姫- 建て直し!! ( No.12 )
- 日時: 2012/03/11 15:10
- 名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)
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電伝虫が、鳴り響く。
鞄をゴソゴソと探って、電伝虫を取り出した。
「はい、セナですが。」
『セナ!!おれだ、おれ!』
「オレオレ詐欺ですか?…エースさん」
『ははっ!久しぶりだなあ!』
「昨日会いましたけどね」
電話の相手は、エース。
少し、セナの顔がゆるんだ。エースの明るい声を聞いて、安心したのだ。
「…で、何ですか?」
『え?…えっと、用はねえ!』
「…無いのに電話を?」
『そうだ!悪い、か…?』
だんだんエースの声が小さくなっているのに気づいて、セナは笑った。
「…ふふ、いいですよ。何時も私は暇ですから。」
『そ、そうか!よかった!』
「…よかった?…何故?」
「よかった」という言葉を聞いて、セナは首をかしげる。
なぜ、よかったのか。セナにはわからないのだ。
『そりゃあ、お前と話が出来て、だろ!』
「…私と…、話が、出来て…?」
セナは、俯いた。頬に、涙が流れた気がした。
でもすぐに顔をあげる。
「そうですか。私もエースさんと話が出来て、よかったです。」
『!!!、……それはよかった!じゃ、またな!』
「はい、また。」
電伝虫を鞄に入れた途端セナはその場に座り込む。複雑な、心境。
これでエースとまた仲良くなってしまった。
「…どうしよう。どうしようどうしよう…!」
記憶の断片は蘇る。
忘れたはずの、記憶が。
〝お姉ちゃん、逃げて!この牢屋から…逃げるんだ!
おれは、大丈夫だから…!〟
そして、銃声。
「これ以上、愛しい人なんて、作りたくない…!」
あと、1年でこの世から離れる事は出来る。が、もし、離れられなかったら?生きていたら?
セナは、また愛しい人を。失ってしまうのだ。
涙こそ出ていないが、セナの顔は悲しそうに歪んでいた。
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