二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   ONEPIECE -海姫-  建て直し!! ( No.27 )
日時: 2012/03/11 15:33
名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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「…はい。海姫を無事捕まえる事が出来ました。…はい。それでは」


電伝虫を置く音がする。それ以外は何も聞こえず、酷く静かだ。
錠を着けられていて、身動きが出来ない。


「海姫、やぁっと捕まってくれたなあ…。これでおれは昇格だあ!」


にやにや、と口元を歪めて笑う此の男が、気持ち悪く思える。思わず眉を歪めて、舌打ちをした。
それが男の気に障ったらしく、蹴り飛ばされる。微かに口の中に、鉄の味がした。

まだ、だ。まだ、逃げて駄目。
今逃げたら、コイツ等はルフィさん達を捕まえる。

本来なら、海楼石など、海と同じものだから別に外せるのだけど、今外して逃げれば、麦わらの一味が危険なのはわかっていたから、敢えてまだ逃げない。


「ってめえ自分の立場が分かってんのか!?」
「………………………………………」
「何とか言えよ海姫エ!!」
「…っ准将!」
「チッ、………何だ。如何した」
「あ、あの報告が…っ。…火拳のエースが、何やら不審な動きを…っ」


火拳の、エース。…エース、さん?
薄く瞼を開いて、聞き耳を立てる。


「行く町々の人に、黒ひげ……つまりは、マーシャル・D・ティーチの行方を聞いているようです!!そして、別の報告では………」
「………!!」


マーシャル、…D…ティーチ………?
確か、彼は。白ひげ海賊団の2番隊隊員。
何故、エースはティーチを追っている?……黒ひげとは何なのだろうか。


「……まさか、」


小さく呟いて、ぎゅっと目を閉じる。信じたくない。
でも、それしか考えられない。セナは海楼石を素早く解いて、近くに在った誰かの刀を取り、海軍の1人に向ける。


「……!??海姫!?貴様…ッ!」
「話せ!別の報告とは何ですか!」
「…………し、白ひげ海賊団の…4番隊隊長が、……死んだと」


ああ、全ての手掛かりはそろった。サッチは死んだ。おそらくティーチが殺した。エースがそれを追った。
おそらくそういうことだろう。刀を、置いて、へたり込んだ。


「…………っ」


何時の日か、〝あの子〟は言った。


〝きっと、何百年後に、…大きな戦いが起きるよ。大事なものを、かけての、大きな戦いが。〟


きっと、きっと。あの子が言った大きな戦いの、前兆。
パズルは着々と組みたてられている。

密かに声を噛み殺して、泣いた。



闇に対抗するには太陽は弱すぎる。




.   闇に呑みこまれる哀れな光