二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   ONEPIECE -海姫-  建て直し!! ( No.28 )
日時: 2012/03/11 15:35
名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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「う…海姫が…ッ…逃げたあああ!」


暫く待って、ルフィ達は、もう大丈夫だな、と言うところまで進んだ。
何としてでも、エースを止めなければならない。
セナは、船から飛び降りると、海に飛び込んだ。
あれほど人魚になるのを否定してたけれど、今はそんな事言ってられない。移動手段では、遊泳速度が一番早い人魚の方が有利なのだ。

ぐん、と暗い底まで潜って、なるべく見つからないようにする。見つかっては今までの行動が台無しだ。


銀の泡(あぶく)が口の中から、ごぽ、と次々と出て来る。
どんどん冷たくなる自分の身体に構わず、ただ泳いだ。







どれくらい経っただろうか。

やっと海面に小さな乗り物が滲んで見えた。すぐに顔を乗り物の海面から出して、辺りを見回した。
此処は、確か、…トルーノ島。情報調達には便利な島。

横に在る乗り物を見ると、思った通り、ストライカーだった。


「………誰だ?」


ふいに声がして、顔を上げる。其処には、資料らしきものを持ったエースが居た。


「………っエース、さん…!」
「え、は、……セナ?何で此処に……」
「…貴方を、追ってきました。」
「…?」
「私も一緒に、連れていって。」
「…は」
「多分貴方は、ティーチさん……否、黒ひげを追うのをやめて、と言ってもやめないだろうから。……せめて私を。」


誰よりも仲間を失うことが嫌いで、誰よりも責任を持っているエース。
仲間ではないけれど、それはセナも同じ。
けれど、エースはセナを好いているから。だからこそ、きっと、断る。


「駄目だ。」


ほら、ね。知っていたよ。その答えを。
セナは、ふっと笑って浜辺へ向かう。段々、鰭は無くなり、人間の姿に戻った。


「……仲間でも無いお前を、連れていけない。…お前は、関係無いだろ?」
「…それでも、私はきみが、きみ達が、大事だから。」
「!!……っ駄目だ!」


きみは、優しいから断るって知ってる。
だけど、今だけは、私の願いを。


「………私には、大事な人が出来すぎた。
 だから、その分皆を守らなければいけない。だから。」




「………お願い。」


エースは、小さく舌打ちをすると、「…死ぬんじゃねえぞ」と呟いた。
「はい」と言ったけれど、嘘だよ。…馬鹿だね。エースさんは。


季節は巡る。もうすぐ、夏が来るよ。700年目の、夏が。




. (最後の、夏が来る。向日葵を今年も見れるだろうか)