二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:   ONEPIECE -海姫-  建て直し!! ( No.36 )
日時: 2012/03/11 15:48
名前: 朔良 ◆D0A7OQqR9g (ID: w0.JbTZT)

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交代を知らせる鐘が響く。
—やっと眠れる、と心を弾ませた。


「食事だ。」


調理室から、のそのそと長身の男が出て来る。
冷たく重い声で、食事の時間だということを伝えて、一人一人の前に粗末な食事を置く。


「うえっ、今日は腐った野菜入りスープじゃん。気持ち悪い!ちょっと!ティス!新鮮な野菜使ってよ!こんなの食べれないよ!」


リルに怒鳴られる長身の男の名は、
—アリスタル・ティス。彼もまた、料理人としてここに来た奴隷だ。
昔はその名を知らぬ者はいないほど、有名な三つ星シェフだったが、今はその面影さえもない。


「すまないな……食料が、ないんだ。」


ティスはぼそぼそと呟くと厨房へ戻っていった。あらためて見ると、スープに腐った野菜が入っている。
そういえば最近新鮮な野菜が無い、と嘆いていたな。
スープにはコンソメなどで味付けなどされておらず、お湯の味しかしない。


「うわ、酷い味。」


隣でセラがぼそり、そう言う。私は勇気を出して躊躇いながらも一口飲んだ。


…っ


確かに、ちょっと……いやかなり酷い味だ。
こんなものなら、朝のカビが生えたパンの方がマシだ。


「…っこんなの酷すぎるよ!」


リルが叫んだ。叩きつける様にスープがはいった皿を床へ落とす。パリーーンという音に、皆振り返った。


「たった1時間の休息で23時間も働かされて・・・しかも何、この食事!」


私も驚いた様にリルを見つめる。そして、ただ頭を抱えた。

此処には、ルールがある。
一、睡眠は1時間だけ
二、23時間働く
三、食事は朝夕だけとらせる
四、他のチームと私語をしない



五、ボスが決めた以上ルールに逆らわないべし。文句は反逆とみなす
。なお、このルールは最重要事項であり、破ることは決して許されぬ
  

———破った者は、死刑かもしくは世界政府直属国家機密超監獄「ディアボロス・プリズン」に収容される———


「だめだよ、リル!ルールを知っているでしょう!?」


この前も、1人——…。私は決死の思いで止める。


「知ってるよ!それがなに?セナ姉!!」
「……!!」
「ぼくらはずっとボスっていう謎の男に怯えてきた…!皆が殺されても、見て見ぬふりしてた…!」


リルは叫ぶ。眼には涙が溜まっていた。


「それってぼくらは、逃げてたってことだよ…?」
「……!」


リルはすくっ、と立ち上がるとセナを見つめる。


「此処に自由は無いんだよセナ姉」




—nemo sine periculo vincere potest



意味は、


—誰も危険なしには勝つことはできない



(危険を負ってまで、自由が欲しい。)
(そして、危険を負わなければ自由は手に入らない)