二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫 〜緋色に染まった桜〜 ( No.5 )
日時: 2012/03/17 20:17
名前: ブルー (ID: H5up09UV)

第二章  瞳の輝き

私は、学校の準備をしていた。
そして、出発する時に『木蓮』が笑顔で見送ってくれた。
「行ってらっしゃい。」
「行ってきます、木蓮様・・・。」
澪の背中を『木蓮』は悲しそうに見つめていた。
私が学校に行く通学路には大きな屋敷がある。とても妖気が暖かったり、冷たかったり、少なくとも澪にはここが妖怪屋敷だということは見破っていた。
やっとのことで学校に着いた、教室に入ると先客が二名先に来ていた。
「おはよう、夜桜さん。」
「おはようございます、夜桜さん。」
一人はこの学校でも有名な奴良リクオともう一人は及川氷麗である。
「あいかわらず、早いね・・・二人は。」
澪は無感動の瞳を二人に向ける。
氷麗は引いていたがリクオは笑顔で「夜桜さんこそ。」というのであった。
そんな彼を見ると澪は(彼はいつも笑顔だな・・・。)と良く思うのであった。
時間が過ぎて行く度に教室はクラスメートが増えていく。
今日の授業の体育では、ソフトボールをやり、私は除外ホームランを放った。
その度にクラスメートの女子には「すごいね。」と言われるが、私はどんな顔をすればいいか解らなかった。
そんな時は私はゆらさんやカナさんに毎回助けてもらっていた。
そんな風に時間が過ぎて行って・・・もう下校になっていた。
私は今日は図書委員の仕事があり、帰りが少し遅くなった。
いつも通りの通学路で妖怪屋敷の前を通っていた。
刹那、風が吹いた。その時桜の花弁が一緒に舞ってきた。
「・・・。」
屋敷の方をよく見るとしだれ桜があった。澪は無意識に「ごめんね・・・。」と呟やく。
そして、朝と同じように通学路を帰って行った。
そんな澪を屋敷のしだれ桜に上っていた男は見つめていた。
そしてこう呟く。
「瞳の輝きがないな・・・あの女。」