二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ぬらりひょんの孫 〜緋色に染まった桜〜 ( No.51 )
日時: 2012/06/15 23:07
名前: ブルー (ID: tkwGoBUC)

第十六章   


「ん・・・?」
澪は目を覚ました。
ふと、顔が濡れていることに気付く。
手鏡で見ると、目から涙が流れていた。
「何・・・これ・・・?」
分からなそうに呟く。
そして、寝間着を脱ぎ、先頭装束の衣に着替えた。
そして、鏡の前に立つ。
(私は傭兵・・・。)
時計の短い針が九を指していた。
澪は、部屋を出て、木蓮の元へ向かった。
いざ、任務場所へ・・・
「行ってらっしゃい。」
木蓮様の声がする。
「行ってきます。」
無表情な声。
任務場所では、四国妖怪の袖モギに出会い、殺し損ねた。
邪魔が入った、玉章という妖怪に。
「君が傭兵だね。」
仮面越しに感じる妖気は冷たかった。
(こいつ、強い。)
刃を交えただけで伝わってきた。
「え・・・」
玉章の刃が澪の体を貫いた。
「次は、君の大切な人の畏れを奪ってあげるよ。」
(木蓮様・・・。)
そして、四国の妖怪は消えていった。
澪は地面に倒れたまま、辛うじての意識で札を取り出すと詠唱した。
「来い・・・白姫。」
蝶が現れると澪の刀傷に止まり、傷を治療してくれた。
しかし、澪の意識は沈んでいった。