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　13話　怖いのか…




　由梨が、突然しゃがみこみ、秋達は驚いた。

　どうして、急にそんな事を…。

　詳しくは、分からないが、彼女は何かに怯えている。

　秋は、声をかけようか、迷っている。

　すると、

　夏「大丈夫?」

　夏未が、声をかける。

　ビクッと、由梨は肩を震わせる。

　そっと、手を伸ばそうとすると…








　「やめろっっ!!!」








　いつの間にか、由羽がそこにいた。

　由羽は、由梨に歩み寄る。

　羽「由梨?」

　由羽の声に、由梨は視線を向ける。

　羽「由梨。大丈夫だよ。」

　由羽は、そっと由梨の頭を撫でる。







　怖い。怖い。

　ふと、由羽の声がした。

　由羽の声は、心地が良かった。

　由羽の手が、頭を撫でる。

　優しく、あたたかい…。






　由羽は、秋達に目を向け、

　羽「すみません。今日は、もうお引き取り下さい。」

　秋「でっ、でも…」

　夏「秋さん。」

　秋達は、その場を去った。



　羽「由梨、大丈夫?」

　由「由羽…。怖いよぉ…。」

　怯えたように、由梨が呟く。

　由羽は、由梨を抱きしめる。

　羽「由梨、とりあえず、帰ろう。迎え、まだでしょう?」

　由羽の言葉に、由梨は耳を塞いでいた手を、放す。








　あぁ、この子はまだ、立ち直れていない。
　あの人の死を…。







　怖いのだ。
　声を聴くのが。心の……。