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視線の先には、
「わあー、お母さんいたいたー！！」
白蓮さんと同じ髪の色の、ツインテールをした女の子がいた。


其の六　近くにいてもあまり可愛くないのがみんなのアイドルだったりする


女の子は、白蓮さんの元へ付くと真っ先にこちらへ目を向けた。
何故かってそりゃ、白蓮さんがこっちを向いてる訳だしね？
「やばいって！ちょ、あの、いいからこっち来てよ！」
なにやら必死だ。知ったこっちゃねぇけどな、俺らには。
「うーい、お前ら、帰るぞー。」
しかし、神楽が素直じゃなかった。
「何やってるネ銀ちゃん！あの子きっと銀ちゃんのかぞくヨ、めちゃ可愛いアル！」
言うやいなや、俺の服をつかみダッシュ。すげー馬鹿力で。

「お姉ちゃん、このオッサンの知り合いアルか？めちゃ可愛いネ！」
「はい？誰ですか、あなた。」
一応敬語ではあるものの、すごく傍若無人な態度だ。
…ってかなにもん？いや、確かに可愛いけどさ。
「ワタシ神楽アル。銀ちゃんをこき使ってやってるヨ」
いつの間にか固まっていた白蓮さんが、解凍されてる。
「ほら、自己紹介くらいして。兄妹感動の再会なんだしさぁ」
……ん？兄妹？

「しょーがないなぁ、別にこれ、あたしがやりたくてやってんだからね。あんたらのタメじゃないし。
えっと…、白鈴。そこのオッサンの…知り合いじゃないけど、多分…妹。」

「「「うぇええええ！！」」」
え、待てよこれ、俺知らないし。妹なんていないし。一人っ子だもん、俺。