二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 無 題 【銀魂】 ( No.16 )
- 日時: 2012/03/29 13:17
- 名前: いろは ◆LUdEVzdrco (ID: w0.JbTZT)
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「ヒューヒュー」
ちょっ、外野うるせェェエエェエェ!
何時の間にか平隊士が集まってきていた。「なんかよくわかんないけど小娘ェーッ頑張れー」とか言ってる奴発見。あの人確かハゲ田さんだ。
とかなんとか考えてるうちに地味な奴がわたしに竹刀を渡してきた。
てかどっかで見たことあるなー…うーん地味すぎてわからない。たぶん銀魂のキャラなんだろう。
「……山本さん?いや違うな山川さんなのか?そうなのか?」
「うん、どっちも違うけどね。山崎だよ山崎。」
「あっ、ソレソレ!ジミー有難う!」
「今の話聞いてたァアアアァァアァ!?」
ちっ、なんだよ五月蝿いなジミー。竹刀を受け取ってから、ふと考える。そういえばわたしとにかく竹刀が大好きだったんだよね。
竹刀に指を這わせてから、目の前ですでに構えてる沖田くんを見た。
あちゃー。本気モードだよ。マジで一本とれるのかなあ。
04 諦めたら其処で試合終了
「イヤイヤイヤ!諦めるなわたし!きっと一本とった後の夕日は、綺麗なはずだから……!」
「何ブツブツ言ってんだィ。始めるぞ。」
パシン!沖田くんの竹刀が容赦なく頭に振り下ろされる。咄嗟に竹刀でガードして、そのまま間合いをとった。
「え、ちょっ!ギャアアア!待ってくれたっていいじゃないか!」
叫び狂いつつ、間合いをつめて竹刀を交じ合わせる。パシンパシンという渇いた音が道場に響き渡って、それがなんとも幸福に感じた。
これだ。わたしが求めていたもの。
沖田くんがわたし頭を打とうとした瞬間に、素早く沖田くんの胴に竹刀を滑り込ませる。そしたらギリギリ竹刀で受け止めてきた。
そう簡単にはいかないか、そう思って先程のことで体勢が崩れた沖田くんにさらに攻撃を仕掛けた。
「っ……中々ですねィ。」
「それはそれは、有難う御座いますっと!」
沖田くんがニヤリと微笑んでわたしの攻撃を全て受け止める。
やっぱり真選組一番だけあって、すごく強い。
パシンパシン、沖田くんがわたしから離れようとした隙に、わたしは竹刀を腕に振り下ろそうとした。けれど。
「あっ…!?」
「後ろですぜィ。」
沖田くんは目にも見えない速さで後ろに滑り込んだ。その刹那、咄嗟にわたしは振り向きざまに竹刀でその攻撃を防いだ。あ、危なかった。
ぎりぎりみしみしと竹刀が音をたてる。冷や汗がたらりと頬を伝った。
わたしは負けるわけにはいかない。だって土方さんに馬鹿にされたままじゃカッコつかないしね!
沖田くんの竹刀を力を込めて叩き落とした。
わたしみたいな小娘にそんな力があると思っていなかったらしく、あっけなく床に落とされた沖田くんの竹刀。
その隙を狙ってわたしは竹刀を沖田くんの頭めがけて振り下ろした。
「めーん。」
わたしのだらけきった掛け声とともに。
***
「んん……ハッ!」
目が覚めた。目の前にはGORIRAが心配そうな顔でわたしを覗き込んでいたのでアッパーかましておきました。アレ?作文んん!?
てゆーか何でわたし寝てるわけ!?
見る限り此処は道場だし、太陽は戦ってたときと同じ方向にいるからそこまで時間はたってないようだけど。
「あの後、翼ちゃん倒れたんだよ。過度の緊張状態からきた疲労のせいでね。」
ジミーが言った。確かに土方さんに拷問されたり沖田くんと戦ったりで緊張してたけどさ。
てゆーか、勝負どうなったの?そう考えていると、近藤さんはまるでわたしの心を読んだかのようににっこり笑って口を開いた。
「勝ったよ」
「……は?」
「翼ちゃんは総悟に勝ったよ」
「マジか。」
「マジだ。」
嘘だろ?わたし勝ったのか!?あの沖田くんに!?
「調子にのんじゃねェぞ。かなりお前の刀には迷いがある。それにあのままもっと長く戦ってたら間違いなくお前が倒れてた。それに今回総悟はお前が女だということで油断してたみたいだしな。本当の実力の総悟と戦ってたら木っ端微塵だったぞお前。」
土方さんが無表情のままそう言った。なんだよ!ちょっとくらい余韻に浸らせてくれたっていいじゃないか。
そう思っていたら沖田くんがひょっこり出てきた。こっちを見てニヤニヤ笑ってる。なんか感じ悪ィなコノヤロー。
「結構楽しかったぜィ。」
「わ、わたしもです!またやりましょうね!」
「気が向いたらな」
「ヤッホーイ!」
「そのときは宇宙の屑にさせてやりまさァ」
「か、勘弁してください!」
沖田くんはわたしと握手をしてくれた。まあその後わたしと握手した方の手を土方さんの隊服で拭いてたけどね!土方さんめっさ嫌がってたけどね!「ちょコラ!片倉菌を移すな」っていってたけどね!泣いていい?てか菌ってなんだゴラ。
いつか2人を襲ってやろうと思っていたら、近藤さんの手が肩に触れた。
見上げれば、近藤さんが眩しいほど笑っていた。
「今日からお前は真選組一番隊隊士、俺たちの家族だ!」
近藤さんも土方さんも、沖田さんも、眩しいほどやわらかく微笑んだから、わたしもなんだか嬉しくなって、笑った。
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