二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ポケスペ〜炎天パラメータ〜 ( No.14 )
日時: 2012/04/02 16:37
名前: 周波数3.3 (ID: cA.2PgLu)

第七話


「次はハナダシティかぁ、あそこにいく途中はオツキミ山が……。洞窟なんて、炎ポケモントレーナーの敵じゃないか」


ま、弱点の克服をしてないような私じゃないんだけどねー。

ニビジムで無事、グレーバッジを手にしたアケビは、次のジム戦に挑戦すべくハナダシティに向かっている途中だった。そして、ハナダシティにいくにはオツキミ山の洞窟を通らなければならない。岩ポケモンの多い洞窟には出来れば入りたくなかった。

3番道路を歩いていれば、何処からかポケモンの鳴き声。……鳴き声なんてものじゃなかった、雄叫びとか叫び声だとか、それの類だ。
木と木の間に隠れて様子を伺う。


「……! お姉さんが血だらけに……、相手は、ギャラドス? あの体制、2発はうつだろうな。……ちっ、ここからじゃ助けにいこうにも距離がある……」


視線の先には血だらけになった少女の姿。助けにいきたくても、かなりの距離があってきっと間に合わない。
そうこう考えているうちに、ギャラドスは一発をうつ。狙いは……、少女だ。彼女のポケモンらしきヒトデマンは地面に倒れている。これじゃあ……。


「くっ、……サトリ、無茶でごめん! あそこのお姉さんの前にひかりのかべを! 」


ボールからサトリ、メタングを出して指示をする。届くか不安だったけど、ハイドロポンプの水が弾かれたのを見ると、どうやら防げたみたい。だが、ホッと胸を撫で下ろす間もなくギャラドスは2発をうつ。
今度はヒトデマンが身を挺してお姉さんを守る。


「ずいぶんでっけえのを相手にしてるじゃんか。
助だちするぜ、おねえちゃん」


微かに聞こえた少年の声。それを境にお姉さんと少年の反撃が始まった。
見てるぶんには、もう行っても大丈夫そうだ。綺麗なお姉さんを自分で助けられなかったのは少し、残念だけど。


_________


ギャラドスを目の前の少年、レッドが捕まえてわたしは安心してしまって、地面に座り込んでしまう。その時、なにか物音がしたように気がして、音がした方向を向いた。
そこには、少女らしき人影と、太陽の光で反射して光る、赤い石と緑の石があった。


「……? どうしたんだ、おねえちゃん? ぼーっとしてさ」
「……ううん、なんでもないわ」


そういえば、ギャラドスが1回目のハイドロポンプを放った時、何故かわたしには当たらなかった。

もしかして、助けてくれたの……?

そうだとしたら、会って、お礼を言いたい。会えるかわからないはずなのに、なんだか会える気がしてならなかった。


_________


「くしゅんっ……、うっわぁ…、風邪? まさかあ……」


ずび、と鼻を啜るアケビは、只今オツキミ山入口…の近くの木の影。何故入らない、と言われれば、周りにロケット団がいるからだ。

このっ……、こんな数じゃ強行突破もできない……。それに、絶対中に親玉いるだろ、これ。__仕方ない、山の周りをいくか

でもこのままロケット団を見逃してやるのも癪だ。こうなったら邪魔でもしてやるか。


「サトリ、ねんりきで突風つくれる? あと、ついでに小さな竜巻も。あいつらに向かって思いっきり、ね」


小声でいえば、さっさとその場を離れて山の周りを歩き始める。すぐにサトリがついてきて、それと同時に「な、なんだこの風は!」「うわっ、砂が目にっ」なんて声が聞こえてきたので、ざまあみろと心の中で罵って……、あ。サトリがこっちをジト目で見てる、やばい私声に出してた?
とか今度こそ心の中で言ったはずなのに、サトリがうん、と頷くから段々怖くなってきた。
サトリって読心術使えたっけなー!
もう笑うしかない、じゃないとこの子末恐ろしくて……。
アケビの目には無意識に涙が浮かんでいた。笑いながら泣いているその姿はなんとも滑稽……、いや恐ろしかった。

この時アケビは、ちゃんと地図でも見とけばよかった……!と後々後悔することになる。


あとがき
ふう、なんかアケビちゃんしかほとんど出てないから皆面白くないだろーな。だが次回、誰かを出す予定。あくまで予定。