二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎天パラメータ【ポケスペ】 ( No.4 )
- 日時: 2012/04/02 15:22
- 名前: 周波数3.3 (ID: cA.2PgLu)
第四話
「……んぁ、私、寝てたんだ……」
ふと、深い眠りから覚める。窓を見ると薄暗くて、もう夜なんだとわかる。ああ、きっとあの時泣いていたのと、感情が高ぶって疲れていたんだ。
気怠い体で、両親がいるであろうリビングまで降りていく。
「父さん、母さん……」
「アケビ……、もう大丈夫なの? 落ち着いた? 」
「大人になったな、お前も。……だけど、自分に当たるのは感心しない」
父さんも、母さんから話を聞いたみたい。両親の問いかけにただ頷くと、言いたいことを言うために、少し躊躇いながらも口を開く。私もただ怒りと悔しさを抱いていたわけじゃない。これが私なりの決断です、父さん、母さん。
「あの、ね。私、旅に出ようと思うの。犠牲がでてからじゃ遅いんだ。だから、私は犠牲が出る前に敵を倒して、皆を守る強さが欲しい」
「……そう、貴女もとうとう旅立つのね。止めはしないわ、でもその前にこれを」
「緑色の……、石? 」
「ああ、お守りぐらいに思っていてくれればいい。……さあ、支度をしなさい。いつでも出発出来るように」
手渡されたのは緑色の光る石、見ていると穏やかな気持ちになって、なんだか心地いい。父さんの言葉に背中を押されて、もう少しの迷いもなくなった。
顔が綻んで、それを見られたくないから急いでリビングを出て自分の部屋に戻る。バッグ、ここら辺にあったかな、なんて違うことをわざと考えながら。
次の日、アケビの部屋には、準備万端のバッグ、もうちゃんと用意された服。そして、目を開けてベッドに横たわるアケビの姿があった。
結局、緊張して早めに起きてしまった。時間は6:15。私は7時に起きるはずだった。……なに、遅いってなに。これがうちの普通なんだよ。
ノイズは1階のパソコンの中で寝てる。クオンは……。あ、そうだ。クオン。一緒に寝てたはずだ。ベッドの下をみると、毛布に包まったクオン。いるとわかっているはずなのに、確認すると何故か安心する。
ぴく、とクオンの体が動いたと思えばどうやら視線で起きたしまったよう。おおう、神経質ですねクオンさん。
「ごめんね、起こしちゃって……」
「きゅ? 」
「なにいってるの、気にしないで」と言ってくれているかのように鳴く。それにふっと笑って頭を撫でる。するとクオンは自らベッドに飛び乗って、私の隣を陣取る。
「なに、一緒に寝てくれるの?……そう、なら二度寝、しようかな」
次にアケビが起きたのは丁度7時。用意していた服をきて、髪を整えたらリビングで朝食を済ませたら準備はOK。
笑顔で"いってきます"を。
「さあ、クオン、ノイズも。この街と同じ目に誓って言おうじゃないか。このトキワを守るのは常盤色の少女、このアケビだってね!! 」
格好よく決めたところでさあ行こう。
守る強さを手に入れるための旅へ
あとがき
最後の文とその前の台詞、格好つけたかったんです。さて、次回から旅が始まります。旅まで長かった…。