二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: inzmGO《その心から喜びを》 ( No.222 )
日時: 2012/08/20 21:06
名前: 志保 (ID: wxZ0SJGK)

誕生日おめでとうございます、風風様。
期待しないで見てもらいたいのです。

沙「誰だこいつ。」











小さな女の子が泣いてる。
暗い暗い、誰にも見られない場所でただただ泣いている。






怖かった。
皆が私を憐れんでいるようで。



中学生の事から今に至るまでずっと私の頭の上に乗っかっている眼鏡【カザリモノ】。
滅多にかけることなんてなくてそこに存在する意味があるのか自分でも疑っていた。
別段自分は器用じゃないから細かい事もやらないしいつも愛用しているパソコンのおかげでデスクワークは眼鏡なしでも十分できている。




ほとんど見えない景色。

私はその感覚が大好き。

眼鏡をかけることによって鮮明に見える景色は怖い。
全てを見透かすようで。

兄さんはいつも眼鏡をかけている。
色が緑だし見える景色も限られているとは分かっていても私には羨ましい。
だってわたしにはその狭い景色をみる勇気さえないんだもの。




信「音無先生!!」

音「あら、なぁに?信助君。」

低い身長というハンデを受け持ちながらGKという重大な役目を背負わされている彼はそんなことを微塵にも思わせない可愛い顔で問いかけてくる。

信「眼鏡かけてみてください!!」

……………。

音「い、いきなりどうしたの?;」

唐突すぎる質問に少々、いや大いに焦りを見せながら理由を聞く。

天「だってかけたところ一度も見たことないんですよ!?」

いつのまに…;
さっきまで神童君と話していたのに…

円「そーいやそうだな。音無、中学の時はかけてたのにどうしたんだ?」

円堂さん、乗っからないでください。

音「んー、かける場面がないからかしらね。」

嘘。
私が臆病なだけ。
本当はもう何も見えない癖に。

霧「けれど見えるんですか?俺達のプレーとか…」

…見えるわけないじゃない。
こんな何も見えない目で見えるわけ…

拓「練習始めるぞ!!」

神童君の掛け声で一斉にボールを取りに行く選手。




何もかも見えなくなった。

怖いものも見えないけれど、一番欲しがっているものさえ見えなくなっている。

なんて不便な目。




「1234!!」

元気よく響く声。
澄みきった空にとてもよく似合う。

スッ

頭の上に手を走らせて触れてみた。
冷たいフレームの感触。

懐かしいあの頃を思い出させる。

必死に皆で応援して…
必死で皆が勝ち取った勝利を体で喜んで…

                          


                            カチャ…




あぁ、このガラスの向こうはなんて、なんてきれいなんだろう。




何かを追うために走る背中…真っ直ぐに走っていく君達の姿がこんなにもはっきり見える。








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春奈ちゃんの若干シリアス気味と思わせてのハッピーエンドでしたww

なんかもうこうだったらいいな見たいな私的要素も入っちゃってるけどそこは大目にみてください。



誕生日おめでとう^^