二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: inzmGO【音は1つになり、空にはばたく】 ( No.29 )
- 日時: 2012/04/06 15:03
- 名前: 風風 (ID: hMtE.UVn)
「おれのカルベネ・ソーヴィニヨンをかえせっ!!!」
真っ赤な顔で遠くにあるワインを取ろうと霧野は手を必死に伸ばしていた。
「もう....霧野くん明日に響くんだから止めたら?アルコール取りすぎるのは毒だよ?」
まだ必死にワインを取ろうとしている霧野を黙って見ていた美桜でも注意をしていた。美桜はそのまま遠くに置いてあったワインを手にとると、窓の近くに持っていき
中身をそのまま、空中に一滴残らず注いだ。
空になったビンは霧野の前に-ドンッ-と置いて、自分のもといた席に座り直した。
「あ!おれのカルベネ・ソーヴィニヨン!!!!」
その様子を霧野は黙ってみるはずもなく、悲しみで一度叫ぶと、 ヒック...
とマヌケな声を出していた。
「ほら、もうワインはありませんよぉ....さ、霧野さん部屋に帰りましょうねぇ」
まるで、子供をあやすように、霧野の背中をさすり、腕を掴み無理矢理立ち上がらせる。
霧野も抵抗をするが、酔いがまわって意識も怪しい霧野は力が入るはずもなく、簡単に立たされ、狩屋と共に食堂をあとにした。
「美桜。あのワインかなり高値。」
2人が出ていった後に、杏樹が美桜を指摘するが、美桜は苦笑いをして剣城の肩を揺さぶり、
「いつまで潰れてるの?」
といいながら、食器の片付けを始めた。
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「えーと....ここが、屋上?」
長い階段を上がった歌海は一番最上階にあった古い鉄製の扉を開けた。
開けた瞬間、夜風が勢いよく入ってきて、軍服が-バタバタ-と音をたてなびいていた。
空を見上げると、月が黄色く輝き、この屋敷を照らしており、なんとも幻想的な雰囲気をつくりだしていた。
そんな雰囲気に少しワクワクしたのか、小さく微笑み屋上の奥まで行こうとする。
だが、屋上には、先客がいたようだ。
奥には鉄製の手すりから上半身から上を乗り出し、空を見上げている桜色の髪の毛の少女がいた。