二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: inzmGO【音は1つになり、空にはばたく】 ( No.41 )
- 日時: 2012/04/07 14:59
- 名前: 風風 (ID: 7ZyC4zhZ)
−ここはどこ?−
見渡す限り灰色の町。
歌海は恐怖で肩を震わせながら景色を見渡した。
だが、見渡すとビルや大きな建物が少なく、小さめな家のような物が多く、町というよりは村の方が正しいだろう。
だが、村の家は何故か屋根の辺りからなく粉々に粉砕されていた。
−なんでだろう−
辺りをキョロキョロと見回し歩きだすと
-パキッ-と何かを踏む音がした。
なにかと思い下を向くと白く細い骨が粉々に砕けていた。
−っ!?!−
歌海は声にも鳴らない叫び声を上げ、恐怖の余り意識を失っていた。
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「おい!明空二等兵!!起床を命じる!いいから起きろ!!」
「っ!?は、はい!今起床しました!!」
突然の眩しい光を見てしまい、思わず強く目をつぶる
だが、さっきの声が霧野の声だとわかると、まだ痛む目を開ける
そこには、すでに軍服を着て、何故か眉間にしわを寄せている霧野だった
「明空二等兵!!手兼通信士の仕事はどうしたんだ!!」
一瞬、霧野がなんて言ったのかわからなかったが、ベッドサイドの机に置いてあった時計をふと見ると時刻は5時30分をさしていた。
手兼通信士と5時30分を繋げると
「あっ!?」
歌海は何かを思い出したのか、時計の隣に置いてあったトランペットを手にとり、部屋を抜けた。
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昨日と同じ道を通り扉を開けると青空が広がる屋上にたどり着いた。
屋上のど真ん中にいくと、下町の方を向いて、大きく口から息を吸い、トランペットを口につける。
思いっ切りトランペットの口に息を吹き込むと、-ペーッ-と、軽く陽気な音がした。
手兼通信士の仕事の一つ、起床信号。
30分遅れてだが、手兼通信士の仕事は仕事なのでやらなくては、いけないことだった。
一通り吹き終わると、小さく微笑み、屋上を出た。
「今日は私がご飯を作ろうかな」
そう小さく呟いて。