二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.gray-man -消えた扉- ( No.188 )
日時: 2012/06/29 19:40
名前: ラン (ID: qs8LIt7f)

       第五十三話 -ありがとうの終わり-




ロ「トリーブ・・・なにしてるのさ」
ト「見たとおりだよ。ロード。・・・ゴメンな。俺はもう勝てないんだ。コイツ等に」
ロ「何言ってんの!?だからって・・・トリーブ!」

ロード
そんな顔しないでくれよ
俺だって嫌なんだ。でも・・・
この身体は俺のじゃない。悠のなんだ

ロ「トリーブは優しすぎるんだよ!!ねぇ・・・お願いだから—」
ト「・・・俺は負けたんだ。もう勝敗はついてる」
ロ「フザけないでよ・・・トリーブ・・・」
レ「ダメレロ!そんなの伯爵タマは—」
ト「悪いな・・・千年公によろしく言っとけ。沙羅」

千本桜

ト「大胆不敵にハイカラ革命」
沙「磊々落々反戦国家」
ロ「・・・?」
ト「日の丸印の二輪車転がし」
沙「悪霊退散 ICBM」
ト「環状線を走り抜けて 東奔西走なんのその」
沙「少年少女戦国無双 浮世の随に」

俺は水・光を
沙羅は桜・雪を

奏でよう
俺等の世界を

沙・ト「イノセンス発動」

桜は桃色の音を奏で
雪は白色の音を奏で
水は青色の音を奏で
光は黄色の音を奏で


そして俺等は
春色
夏色
秋色
冬色を奏でる

さぁ歌おう
この唄の続きを

沙・ト「千本桜 夜ニ紛レ 君ノ声モ届カナイヨ 此処は宴 鋼の檻 その断頭台で見下ろして」


     「・・・お前は?」
     「黒井悠」
     「・・・やっと会えたね」
     「ありがとう」
     「いいさ。俺はただ」

ル「トリーブ!!」

剣が俺に向かってくる
いや
迎えにきてくれたのかもしれないな


     「沙羅が世話になったな」
     「いいさ。なぁ悠」
     「ん?」
     「君は幸せか?」

身体に剣が刺さった
時間なんて戻さない
逆に早くする
速く・・・ロードの泣き顔を消し去りたいから
速く・・・悠をコイツ等に会わせたいから

     「すごい幸せだよ」
     「・・・そうか。よかった」

これで俺も
安らかに眠れる

     「ありがとう。トリーブ」
     「ありがとう。黒井悠」

ありがとう・・・——


ロ「トリーブ・・・トリーブ!!!!」
沙「・・・ありがとう」

俺に
人間の絆の深さを教えてくれて

俺に
友達の大切さを教えてくれて

俺に
この世で最も大切なものを教えてくれて

俺に
足りなかったものを教えてくれて

俺に
大切という感情を教えてくれて


                ありがとう・・・———