二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.gray-man -消えた扉- ( No.19 )
- 日時: 2012/04/23 20:41
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第九話 -桜の散る、あの場所で-
沙「・・・」
ただ眺める
部屋から見える桜を
あの森の桜はまだ咲いているだろうか
でも・・・
協力者について行ってから1年経って
それから桜と会話した覚えはない
最後に森で交わした言葉は
''あの人が帰ってきたら、すぐ言ってね!''
''はい。わかりました''
協力者の居た場で、最後に交わした言葉は
''まだ来ないの?''
''・・・はい''
どうして言えなかったんだろう
''ありがとう''って
いつも慰めてくれた桜
いつも褒めてくれた桜
いつも・・・遊んでくれた桜
あれから一人じゃないって気づけたのに
私は彼の事しか話していなかった
後になってから、遅いとわかっていても
後悔が胸の奥深くからこみ上げてくる
どうして・・・私は鈍いんだろうか
ガチャ
リ「沙羅!おはよう」
沙「え・・・」
気が付けば、もう太陽が顔を出していた
何時間、自分を責め続けていたのだろうか
頬を伝う涙を拭い、心配そうに見つめるリナリーに顔を向けた
リ「どうしたの?大丈夫??」
沙「・・・うんw」
不安な心も
リナリーのおかげで綺麗さっぱり晴れた
窓から入り込む、温かい日差しが
リナリーと私を照らした
そして
私の心までも照らす
悠「・・・今帰っても、誰も居ないだろうしな」
かといって・・・
仕事終わったしな
さて
どうしましょうか
春風に梅の香りが乗り
平和な街に梅の香りが漂う
悠「沙羅・・・アイツと同じ名前だ」
顔・名前・声
俺は全て記憶してる
まぁ・・・6年前の事だ
3日くらいあれば人は変われる
6年も経ってるんだ
あれから・・・
俺にとって
この6年は短い気がする
アイツが俺の事を覚えてるとは限らない
思い出が消え去る前に
もう一度会いたい
今度は友達としてではなく
家族として・・・・———
胸元に入れておいた写真を取り出す
そこには、笑っている小さな少女が二人写っていた
悠「・・・ヤンチャだったな。あの頃は・・・」
この時は、友達として撮った時だ
今度は家族として・・・姉妹として撮りたい
でも・・・・・
会いたくない・・・って気持ちの方が多いだろうか
??「お兄さ〜ん!こんなところでなにをしてるの??」
小さな少女が話しかけてきた
少しぽっちゃりとしているが、優しそうな笑顔を見せる
悠「・・・桜を見てるんだよ。君・・・モデルにならない?」
??「本当!?」
椅子を持ってきて、少女を座らす
スケッチブックを開き、少女を書き続ける
笑顔が素敵な子の絵はよく書く
小さい頃言ってたんだ。アイツは
''人の笑顔を見ている時が幸せなの''
だから俺は書き続ける
アイツが元気になるように
アイツが
安心して、友達と過ごせるように