二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D.gray-man -消えた扉- 皆様のご協力 ( No.225 )
日時: 2012/07/25 22:09
名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)

       第六十二話 -ひとつの王国に-




 昔々あるところに、王国がありました。日本人の王様と王妃は珍しく、人々・・・世界中から人気があったと。

??「あなた様の国がこんなに大きくなられましたわよ」
??「わたしの国ではない。私達二人の国だ」

 王様の名は海琉。王妃の名は優という名でした。
 王妃は双子の子をお腹に宿し、王様は王妃のお腹を撫でながら、我が子の誕生を待ちわびていました。しかし・・・事はおきました。

優「海琉様」
海「どうした」
優「お腹に灰色の染みが広がっておるのですが・・・」
海「何?」

 あるひ王妃は見てしまったのです。自分のお腹が黒く・・・灰色に染まっていっているという事を。最初は痣だと思って見過ごしていた。しかし・・・染みは広まるばかり。

海「これは一体・・・聖痕?」

 それが・・・「ノアの覚醒」双子のうちどちらかが、ノアへと覚醒している最中なのでした。それでも一般人がそんな事を知る由などありませんでした。

優「うっ・・・」
海「優!?」

 王妃は意識を失い、病院へと搬送され・・・赤子が産まれたと同時に息を引き取った。

??「オギャァ・・・ギャァア・・・オギャァアア・・・・・・」
海「優・・・優っ・・・!!!」

 双子はどちらも可愛い可愛い女の子でした。王は妻である優の事を忘れられず・・・どちらにも妻と同じ名・・・「ユウ」と名付けました。

海「悠。肬・・・こっちにおいで」
悠「とーさま」

 産まれて一ヶ月たったある日。メイドの者が子供を寝かせるとき、一時間探しても肬が見つからないのを王に報告しました。

海「何だと!?」
メ「はい・・・先程から探しておるのですが、見つからないのです」
海「城中の者を集めて探せ!!」
メ「は・・・はい!」

 城中探しても彼女は見つからず・・・ある兵士が、一つの手紙を震わせた手で王に渡したのでした。記されていたのは「オマエの子は我輩が預かりましタ。千年伯爵」

海「千年伯爵・・・?ふざけたことを!!探せ!!この千年伯爵を探すのだ!!」
全「はい!」

 何日間さがしても・・・何週間探しても。肬が見つかることはなかったのでした。王はついにあきらめ、悠を一人っ子として育てることにしました。
 そして次期王は・・・「黒井悠」となりました。

悠「お父様」
海「何だ?悠」
悠「王国って・・・何ですか?」
海「・・・な」

 悠はたまに、最近教えたばかりのこと・・・昔のことをすぐ忘れるようになりました。記憶が混乱していると王はおもっているだけで。それが「ノア」の仕業だとは・・・誰も知りませんでした。