二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.gray-man -消えた扉- 皆様のご協力 ( No.227 )
- 日時: 2012/07/26 14:09
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第六十四話 -君を眺めて-
悠は台から降りて、部屋から出た。閉めた扉によりかかり、誰にも気づかれないように・・・静かに泣いた。
悠「お父様・・・お母様・・・・・・」
中から聞こえてくる様々な声。悠の心を心配する者と・・・「この国は呪われている」と逃げ出そうと思っている者の二つに別れた。
悠「・・・千年伯爵」
部屋に戻ってベランダを見つめると、そこに座っていたのは千年伯爵。赤い毛糸でマフラーを編んでいた。
千「話をしましょウ。この世界について・・・あなたの家族についテ」
悠「・・・そのつもりで来たんだ」
この世界には神に選ばれた黒と白の者がいる。それがエクソシストとノア。それぞれ詳しく聞かされたあと・・・俺には双子の姉で、同じ名を持つ「肬」がいる事がわかった
悠「・・・肬?」
千「私は肬がノアだと勘違いしてましタ。でも本当のノアは悠・・・あなたなんでス」
悠「・・・で?あなたは俺を迎えに来たと。・・・この国はどうなる」
千「我輩の元へ来てくれるのなら王を続行しても構いませんヨ」
悠「・・・肬は」
千「また考えまス」
「わかった」と言わなければどうなるかわからない。父を殺したのはわかってる。でも・・・従うしかない。
悠「・・・わかったよ。でも今は忙しいから・・・」
千「わかってますヨ。でハ」
そう言ってまた闇の中へと消えていった。闇の住人・・・か。
悠「・・・メイ」
メ「はい!」
メイドのメイを呼んで、明日市民の前で王様が死んだ事・・・私が王を継ぐ事を皆に報告する。隠すことなど・・・有り得ない。
翌朝、市民がざわめく中を、城で町中が見渡せる場へと移動した。
??「姫様!」
悠「・・・」
姫様と呼ばれるのはにつかわしいが、しょうがない。もうすぐ王になるのだからこれくらいは我慢せねばなるまい。
悠「皆さん。今日は暑い中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。」
王が最初に必ず言う言葉。それを思い出しながら、序章を始める。そして・・・本題へ。
悠「今日はお集まりいただいたのはほかでもありません。昨日・・・我々の王である海琉様がお亡くなりになられました」
全「!?」
城の中で話した時より、大きなざわめきが聞こえた。泣いたりわめいたり・・・まだ幼い赤子までも泣いていた。
悠「そして今日・・・改めまして、私が海琉様の意思を継ぎます。そして・・・私が貴方方を引っ張っていきます」
泣き喚いていた人々は笑い、「姫様」ではなく「王女」と呼ぶ。そして・・・「ユウ」と呼ぶ。
私はまだ知らずにいた。その人々の中に、自分の姉・・・本当は王女になっていた「肬」がいたという事を。